本気で「辞めたい」と思った僕を救ってくれた尊敬する人の言葉 ―ANTI CHOさんの働く理由

ANTIに決めた最大の理由は、自分の個性を生かせると確信したから

 

 

就職活動の時期は4社受けて4社合格しました。そのうちのANTIを含む2社ですごく悩んでいたんです。それで日美の図書館に行って、美容の記事を片っ端から調べて、小松の本やANTIの記事を全部、読んでみました。そうしたら、「ANTIってすごい素敵なサロンじゃん!」って思ったんです。カリスマ美容師の時代からずっと人気のサロンだし、高い技術を学べるんだと思いました。また、当時よく遊んでいた仲間の一人がANTIで働いていて、「うちはすごくいいぞ。お前の個性を殺さないし、生かしてくれる会社づくりをしているから」と言われたこともANTIへの入社を決断した大きな理由のひとつです。あと、パーマが好きだったので、日本一と言われているANTIに入社したら、「パーマで日本一になれる!」という思いもありました。

 

実際に入社してみて思ったのは、いい意味でスタッフの統一感のないサロンだということ。同期は5人入社したのですが、個性は見事にみんなバラバラ。サロンの色に染まる必要はなく、自分の個性を生かしていけばいいんだと感じました。

 

1歳上の先輩も11人いたので、その環境にもすごく揉まれました。入社2年目ですでに小松についている先輩がいたんです。「どうやったら小松につけるようなアシスタントになれるんだろう」と、その先輩のあとを金魚のフンみたいにくっついて、観察していました。

 

小松は基本的に、くるもの拒まずで、積極的な姿勢はすごく評価してくれるんです。もちろん、お客さまは練習台ではないので、きちんと練習を積んだ上でやる、ということが前提としてはあります。ですが、ブローなど直せる失敗に関しては、失敗したことよりもやる姿勢を評価してくれて、そのあとできちんと技術的なアドバイスをくれるんです。

 

なので、小松のお客さまを担当できるかは、アシスタント同士で取り合いでした。1年目はシャンプーしかできないので、小松のお客さまの半分でも「シャンプーが気持ちよかった」と小松に伝えてくれたら俺の勝ちだな」と思い、とにかく気持ちいいシャンプーを心がけました。「どうしたら、指名されるんだろう」、「どうしてこんなに待たせても次また指名してもらえるんだろう」と思い、小松だけではなく、先輩美容師一人ひとりを分析していたりもしていましたね。

 

小松が3時間つきっきりでカットの練習に付き合ってくれた

 

 

2年目からは、小松のアシスタントになりました。毎週のように海外セミナーや海外出張など、いろいろなところに連れて行ってもらいましたし、撮影も立ち会ったりすることができて、本当にラッキーだったと思います。

 

ただ僕、デビューを一つ下の後輩にも抜かれているんですよ。毎週のように海外に行っていたので、自分のレッスンをする時間がなく、スタイリストになるまでに7年かかりました。

 

でも、デビューが遅れたことに後悔したり、悩んだりすることはありませんでした。小松の仕事に帯同することで、立ち居振る舞いや、間の取り方、外部からの小松の見られ方、ほかのサロンの方との付き合い方などを学ぶことができたからです。それが今の仕事にも活きていると思っています。

 

また、スタイリストに上がる前のスタイリストチェックのときにも、小松にはさまざまことを教えてもらいました。

 

当時「顔まわりの似合わせってどうしたらいいんだろう」と悩み「小松に直接、聞こう」と思い聞きに行ったんです。普段、小松はレッスンをほとんど見ないのですが、「お前には俺が教える」って言ってくれて。毎週3時間くらいモデルさんを3人入れてつきっきりで全部、教えてくれました。なんで僕のためにそこまでしてくれたのか。その理由を奧さんに聞くと「積極的にきてくれるし、今までのアシスタントで一番尽くしてくれたから」と小松が言っていると教えてくれて、それがうれしくて今の僕の力になっています。

 

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