「店舗はハコで、美容師はその中のひとつのブランド」bloc・百冨友香理のクリエイティビティの秘密
サーフィン、ハイキング、小説。興味を持ち、見て、触れることがスタイルに反映される
-百冨さんがセルフブランディングのために意識していることは?
「いろいろなことから刺激を受けて、吸収して、それを美容師として形にしていくことを意識しています。最近、刺激を受けているのは小説。今まで全く読まなかったんですけど。それと、1年に1回は必ず海外旅行に行って、その土地の美術館や博物館に足を運ぶことも多いです。そこで文化や時代性を知ったり、展示や空間の演出を見たりして、それを美容と繋げたらどうかな? 自分で打ち出すならどうすればいいかな? とか、見比べながら旅しています」
-今まで訪れた海外の国のなかで、最も美容のインスピレーションを与えられた場所は?
「全部です。NYに初めて行ったときは都会的で好き勝手やっているのがカッコイイなと思ったし、マチュピチュでは現地の文化や民族衣装に刺激を受けました。最近だとシンガポールの博物館がおもしろかったです」
-海外のヘアサロンや美容に興味が沸いたりしませんか?
「もともとは海外で働きたいとも思っていたんですが、旅行でよその国のヘアサロンを訪れてみて、日本のクオリティの高さを改めて感じるたびに、海外で働きたいという気持ちも収まってきましたね。タイのサロンでシャンプーしてもらったときに、当時オノヨーコさんっぽい、わざとパサパサっとした質感のスタイリングをしていたんですが、サラッサラにブローされちゃって(笑)。そうやって自分で体験してみて、気づけることもすごく多い。『私のお客さまもそう感じることあるのかな』って、客観的になれるのもいい経験になっています」
-自らいろいろ体験されているんですね。それにしてもアクティブ!
「興味を持ったことに対して、見て、触れる時間を作ることを大事にしています。その時その時で自分の流行があって、海でサーフィンしたり、山にハイキングに行ったり、ここのところは家で過ごしたりインドアが多いかな。スタッフから『休みを取るのが上手い』ってよく褒められます(笑)」
-ファッションやライフスタイルでは、どんなことを意識されていますか?
「サロンではお客さまにどう見えるかを意識しています。10代から親世代まで、上下ひと周りくらい年齢の違うお客さまもいますから、印象が悪くないようにという最低限のことは心がけています。あとは、年齢差関係なく共有できそうなことを取り入れてみたりもします。例えば、アイメイクよりリップにポイントを置いてみるとか。なにかひとつでも共有できれば、そこから会話が始まったりお客さまの環境がわかるヒントが得られたりすることもありますから」