「店舗はハコで、美容師はその中のひとつのブランド」bloc・百冨友香理のクリエイティビティの秘密
美容師としての腕だけでなく、そのファッションッセンスが注目を浴び、女性誌やWeb媒体などに取り上げられることも多い「bloc」のスタイリスト・百冨友香理さん。個性的だけど奇抜じゃなく、時代感と存在感が同居する表現力は、どのようにして培われてきたのか。これまでのキャリア、ご自身のスタイルへのこだわりなどから、百冨友香理のクリエイティビティの秘密を探ります。
美容師はサロンという箱の中のいちブランド。そのブランディングを強めたい
-これまでの経歴と、blocに入店したきっかけを教えてください。
「原宿のヘアサロンで1年間の勤務を経て、blocに入りました。以前の職場は、ある一定層のお客さまが多いサロンで、業界誌の仕事が多いお店でした。その仕事はその仕事で技術や学べることも多かったんですが、美容師としてもっと幅広い層を相手に一般誌の雑誌とかもやっていきたいなと思い始め、そこで出会ったのがblocだったんです」
-入店する決め手となったことは?
「単純に、感覚的にかっこいいなと思ったんです。時代性やカルチャーを大事にするお店のコンセプトや、普遍的なスタイルに現代感をミックスさせたヘアスタイルの感性にもとても共感したし、ファッションもトータルコーディネートしていくサロンだと聞いて、ここで早くスタイリストになりたいと思いました。もうほんと直感です」
-blocではスタイリスト兼「フロア・ビジュアルディレクター」を担当。こちらはどんな役割なのでしょうか?
「スタッフがお客さまにヘアを提案するときに、トータルでビジュアルコーディネートができるように指導やアドバイスをする役割、です。作るヘアもそうですが、スタッフひとりひとりのヘアスタイルやファッションコーディネート、サロンに立っているときのトータルセンスまで、気づいたことは伝えるようにしています」
-指導するときに心がけていることはありますか?
「お店に入ったばかりの子などは特に、ファッションのバリエーションが自分好みに偏ってしまいがちです。それだと同年代とは共感できるかもしれないけど、blocには年齢が10歳以上離れているお客さまもいらっしゃいますし、年上のお客さまからも、かっこいいな、かわいいな、と思っていただけるようなバリエーションや引き出しを持っていてほしい。それがヘアの提案の幅や、お客さまとの会話の広がりにも繋がると思うんです。“自分はこう”と決めつけないでいろんなファッションに挑戦して、お客さまからも刺激を受けていいものはどんどん取り入れていってほしいですね。って、教えながら私も教わっているんですけどね(笑)」
-それによって、サロン内でどんな変化がありましたか?
「お客さまに“いろんなスタッフがいる”と思っていただけることですかね。blocって、ひとつのイメージに縛られないし、スタッフのファッションも○○系といったジャンルに絞れない。個々の強さを持っているところがおもしろいなと私自身感じています。店は箱で、美容師はその中の1つのブランド。いろんなブランドがあって、ひとりひとりがそのブランドを強めていってほしいですね」