自分の価値を上げるには? 売れる人は生き様が面白い! 川畑タケル×エザキヨシタカの美容放談 <後編>

表現者は、その人がもっているストーリーが大事なんだよ(川畑)

 

 

寺尾:川畑さんが美容師として、大切にしたほうがいいと考えていることって、どんなことですか。

 

川畑:やっぱり、カットだよ。カットが上手くなれば、すごい人がくる。そのすごい人の様子を見て、また大物と呼ばれる人がくるようになるんだよ。一人のお客さまから5人、10人と広がっていく。それだけでも月200万円はいくよ。

 

あとは、みんなもっと遊んだほうがいい。遊ぶことで自分の好みを知ることができるし、自分は何が得意なのかもわかるようになる。いろいろなことを知ることもできる。そうすると、自分の好きなものを同じように求めているお客さんが集まるんですよ。僕のことが好きな人たちが集まっているから、あんまり深く説明しなくてもいいんです。

 

QJナビDAILY編集部:お二人からのアドバイスを聞きたい若手、たくさんいると思います。ぜひ、最後に読者に向けてメッセージをお願いします!

 

 

エザキ:これは若手の美容師さんに伝えたいことなんだけれど、掃除ができるだけで上に行けるから嫌がらず頑張ってほしいですね。単純な話で、トイレ掃除をまかせてピカピカに仕上げてきたら、人に好かれるじゃない。それに掃除をすることで、サロンの細部まで気が行き届くようになる。たとえば、戸棚の上の掃除をしているときに、電球の上に溜まっているホコリに気づいて、ついでにきれいにするとか。これができると、1を聞いて10できる人に近づけるわけです。上の人は掃除しなくなっちゃっているから、少なくともサロンの中のことならだれよりも気づける人になれるよ。

 

 

川畑:そうだね…さっきも言ったけど、美容師さんにはもっと遊んでほしいよね。売れている画家っていうのは、生き様がおもしろいってこと。みんなだって、面白そうな人が描いているから観に行くわけじゃない。絵を売るために、画商が描いた人の生き様を後付けすることもあるくらいだからね。つまり、面白い生き方をすることが大切だってこと。

 

今、みんな真面目だから、その中で自分が目立つにはどうしたらいいか考えてみてください。その答えは僕にはわからない。僕には僕の時代があったし、みんなにはみんなの時代があるから。そして、自分のポリシーに従って表現してほしい。つまり、それが生き様であり、その人のストーリーだから。そのストーリーは10年、20年、30年でどんどん深くなる。

 

だからね、今も気持ちを緩めるときはないですよ。エザキくんもきっと同じだと思う。いつも挑戦しているよね。そのことをみんなに知ってほしいね。まあ、僕は今、リラックスしているけどね(笑)。

 

>前編を見る

 

プロフィール
BEAUTRIUM/Artistic Director http://beautrium.com/
川畑 タケル (かわばた たける)

1988年BEAUTRIUM(ビュートリアム)に所属。それまで画一的だった日本の美容界に革命を起こしたスライドカットを生み出し、現在ではArtistic Directorとして、美容界だけではなく、ファッションやカルチャーに関わる様々な方面に影響を与える存在。2008年3月に七里ヶ浜にBEAUTRIUM七里ヶ浜店をオープン。2016年秋、「BEAUTRIUM ACADEMY」開校。

 

 

プロフィール
grico http://grico-h.com/
エザキヨシタカ

2009年原宿に「grico」をオープン。美容業界を代表するトレンドセッターとして美容師の新たな在り方に対して常にアプローチを仕掛け、アパレル業、商品開発、コンサルティングなど多方面で活躍。オンラインサロン「マルチバース」「JAPAN7」にて業界の活性化に注力している。著書「夢を叶えるエザキ流方程式」「選ばれる条件」で多くのメディア・美容業界内外から注目されている。

 

<撮影場所>

Bar de Espana morimori (バル デ エスパーニャ モリモリ)

http://www.mori2.net/

(取材/外山 武史・撮影/菊池 麻美)

 

 

 

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