ハリウッドセレブも手がけたartifata CHIKAの『東京が世界一』の意味とは
—NYファッションウィークのほかにも、アカデミー賞やゴールデングローブ賞、カンヌ映画祭など、その活躍は世界に及んできたCHIKAさんですが、ここ最近はまた日本を拠点に活動されていますよね。その理由を教えてください。
また、海外でのヘアメイクアップの経験がサロン経営に及ぼした影響はありましたか?
「ハリウッドのトップスターの髪を触ることができる人なんて、ほんの一握りなんです。チャンスがあったって簡単につぶされるし、そんな中、僕が小さなすき間にススッと入り、名だたるセレブリティのヘアメイクをすることができたのは、本当に幸運だったとしか言いようがありません。
でも、最高峰だと思っていたステージを経験して気づいたのは、『東京の美容師が世界一』だということ。それが日本に拠点を戻した第一の理由です。ずっと外にそれを追い求めていたけれど、僕にとってのホームグラウンドは、ほかでもない、東京の表参道のサロンだったんです。
僕の海外でのヘアメイクアップ経験がサロン経営にどう影響を及ぼしたかというと、憧れの海外でなく、ホームグラウンドから海外を見るスタンスになったこと。ずっと表参道の中で仕事をしていたら実感できなかったことに気づけたこと。そこに大きな意味があったのかもしれません」
—先ほど、artifataがホームグラウンドとおっしゃっていましたが、サロンの今後、CHIKAさんの今後について、伺わせてください。
「artifataは人にこだわり、ブランディングにこだわり、技術にこだわり、接客にこだわり、今を知りながら今に流されない。本物のサロンになりたいと目標を掲げて今年で15周年を迎えます。本当によいスタッフが育ってきました。そろそろ、次のステージへの期は熟してきたと感じています。このartifata GINZA KABUKIZA店もそうですが、僕がいるからこそ、artifataでしかできないことを今年はたくさん仕掛けていきます。若手のサロン展開も始める予定です。
そして僕の今後は、ホームグラウンドで「すべての女性を美しく」をコンセプトに、お客さまに元気で笑顔になって頂くため、初めて来店されるお客さまも、20年を超えるお付き合いのお客さまも、新たな魅力を引き出し毎回のご来店で変化・進化がある、僕でしかできないヘアスタイルを提供していくことです。
そしてホームグラウンドから海外を見ての活動と、今までどおり映画などのヘアメイクプロデュースや、国内外で活躍されるアーティストや女優さんのヘアメイクを続けてゆきます。これからも存在意義を高め続け、死ぬまで現場の美容師、ヘアメイクでありたいと思っています。だって、こんなにいい仕事、ほかにはないですから」
- プロフィール
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artifata代表
CHIKA 親 保宏(ちか やすひろ)
「すべての女性を美しく」をコンセプトに、サロンワークのほか、数々の女優やアーティストなどのヘアメイクを担当。NYファッションウィーク、アカデミー賞などで、ミラ・ジョヴォヴィッチ、リース・ウィザースプーンほか、数多くのセレブリティのヘアメイク、映画のヘア&メイクのディレクションなど、その活躍は多岐に渡る。
(取材・文/池山章子)
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