美容師が編集者に? AFLOATが発行する「Lilou」がサロンイメージを刷新する|JACKYさんインタビュー
Lilouを作ることで作る人や読む人の気持ちを考えるようになった
-JACKYさんは一般誌での撮影の経験は豊富ですが、Lilouの編集長を務めていることで、雑誌の撮影に臨む際に変化したことはありますか?
Lilouを制作していると、逆に作る側の気持ちもわかるようになってくるんですよね。「こういう企画だったら、こういうモデルさんが必要だな」とか「こういうスタイルが求められているんだな」とか。ひとつの企画をつくるのにどれだけ大変かということもわかる。大変さを分かっているので、ひとつの撮影に対して今までよりももっと大事に考えるようになりましたね。
-中の特集ページはスタッフが編集部員としてやっているんですか?
編集部員が変わることもあるのですが、ほとんどが固定です。東京と名古屋の店舗から各1人か2人が選ばれ、現在は7〜8人の編集部員で構成されています。
-Lilouでは、巻頭ページ以外は、撮影(カメラ)まで美容師さんが、というかJACKYさん自身がやっていますよね。美容師さんだからこそできる誌面づくりってありますか?
一般誌との違いという部分で言えば、美容師がこだわっている部分、ここが見せたいという部分を自由に出せることですね。やはり雑誌それぞれのイメージや編集側のコンセプトがあって、美容師がカメラマンさんに「ここから撮って」と注文することはなかなかできませんが、Lilouだと身内がつくっているから、美容師がこだわっている部分にしっかりフォーカスできるんです。そういった部分をしっかり出せます。
-毎回、納得したものは作れていますか?
納得している部分ももちろんありますが、毎回、いろいろな反省点がありますね。たとえば、文字とかデザインとか、もっとおしゃれなイメージにしたかったのになんか違うな、とか。デザイナーさんとの意思の疎通も難しかったですね。最初の号だと、巻頭ページと中のほうの企画ページの違いがほとんどないんですよね。全ページ写真ばかり。写真ばかりだと読み手がパラパラめくっちゃうから、何か情報を入れる必要があるとなって、アレンジのやり方を載せたり、メイクページを載せたりもしました。最初はただ、自分たちがやりたいことだけを表現していて、読み手のことを考えていなかったんですよね。
-回を重ねるごとに、読み手のことを考えるようになってきましたか?
そうですね。お客さまがなにを求めているんだろうと考えるようになりましたね。アレンジを知りたい人が多いなとか、カラーのことをもっと知りたい人がいるんじゃないか、とか。それでカラー本を作ったんですが、それが電子書籍化され、ダウンロード数が増えました。