シャンプー上手はいい美容師になる!? 「門外不出のACQUA流」をシャンプー指名No. 1コンビに聞く
シャンプー指名ってどうやったらもらえるの?
編集部:そんなシャンプー教育を経て、シャンプー指名No.1になった小俣さん。そして、その小俣さんの教育係だった内田さん。お二人のシャンプーのこだわりや秘訣を教えてください。
小俣:全ての手順にこだわっています。カウンセリングもそうですし、シャンプーとトリートメントの選択にもこだわります。洗うときは、もみあげからフェイス周り、トップ、ハチ、下まで洗って、最後はマッサージまで丁寧にやります。
頭皮を触った時にトップが固めだなと思ったら重点的にマッサージしたり、肩が凝りやすいということであれば肩と首元のマッサージをしたりするとすごく喜ばれますね。
一つポイントをあげるとしたら、マッサージ中にお客さまの表情をよく見ることです。私は力が強いほうなので、もしお客さまの眉間にシワがよったらちょっと力を弱めます。そういう配慮はお客さまに通じるんですよ。直接褒められることもありますし、喜ぶ様子を見たスタイリストが「次回からシャンプー指名しますか?」とお客さまに提案してくれることもあります。
内田:私は大きく2つのポイントがあると思います。一つは、シャンプーの入り方と終わり方にこだわること。シャンプーは、お客さまの体に最初に触れるタイミングです。そこでガサツな入り方をするより、丁寧にした方が好印象だと思います。終わりも同じで、シャンプーを終えるときに適当な扱いになるとその印象が残ってしまうし、丁寧なら余韻として残ると思うからです。だからどんなに急いでいるときも意識しています。
もう一つは、お客さまに褒めていただけるポイントを見つけて覚えることです。マッサージのときに、「ここが気持ちよさそうだな」「ここは痛そうだな」と思ったところがあったら覚えておきます。自分の頭がシャンプーされているときも、「気持ちよかったこと」と「気持ち悪かったこと」を覚えておく。その上で、お客さまにシャンプーを実践したら、「気持ちいい」と言われることが増えましたし、顔や名前を覚えてもらえるようになりました。
ACQUAがなぜそこまでシャンプーを大切にするのか
編集部:ここまでお話を聞いてきた中でもおぼろげに答えが見えてきた気もしますが、どうしてACQUAさんはシャンプー教育に力を入れているんでしょう?
小俣:総店長の熊谷さんと、内田さんから「シャンプーは美容室の中で唯一、道具を使わず、手でお客さまに触れる技術なんだよ」という話がそれぞれ別々のタイミングで出た事があって、それがほとんど同じ言葉だったのですごく驚いちゃいまして。それくらい、シャンプーは大事な技術だし、ACQUAの伝統としてシャンプー教育を大事にしてきたのだと思いました。きっと、シャンプーへの想いが、ほかの美容室とは違うんですよ。
編集部:シャンプーが上手な美容師さんは、売れる美容師さんになると言われますしね。
小俣:私はまだアシスタントですが、先輩たちの様子を見ていると、やっぱりシャンプーが上手い先輩は他の仕事も上手です。それに、美容師はお客さまに育てられる仕事だと私は思っています。シャンプーが上手いとお客さまは褒めてくれるじゃないですか。するとモチベーションが上がるから、ほかの仕事もより一層頑張ることができます。お客さまに育ててもらえる機会が増えるから、良い美容師になるんじゃないでしょうか。
内田:シャンプーが上手い先輩は、お客さまとの結びつきがすごく強いです。だからスタイリストになってからも、お客さまがリピートするし、お土産をいただいたりと美容師とお客さまという関係以上に大切にしていただいてるところもよくみます。やっぱり、お客さまが求めていることを察して、それをすぐに還元する力は、スタイリストになってからも当然生かせるし、選ばれる美容師になる秘訣なのかなと思います。
編集部:では、お二人のスタイリストデビュー後の活躍も期待大ですね。
内田:今年中にデビューします!
小俣:私は来年、デビューしたいです!
編集部:応援しています!
プロフィール
ACQUA/アシスタント
内田未歩(うちだみほ)
広島県出身。東京美容専門学校卒業。就職活動ではいくつかの有名店の説明会に参加。それぞれサロンのカラーがある中、ACQUAのカラーは白で、白のキャンパスにどんな絵も描けるようなイメージがわき、入社を決める。現在はアシスタントのリーダー的な存在。2022年中にスタイリストデビューを目指す。
ACQUA/アシスタント
小俣瑛子(おまたあきこ)
群馬県出身。自宅から2時間40分かけて早稲田美容専門学校に通い卒業。ACQUAを選んだ理由は「居眠りキャラでもないのに、ACQUAのシャンプーが気持ち良すぎて眠ってしまったから」。お客さまが眠ってしまうような気持ちのいいシャンプーを目指して日々努力中。2023年にスタイリストデビューを目指す。
(文/外山 武史 撮影/菊池麻美)
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