シャンプー上手はいい美容師になる!? 「門外不出のACQUA流」をシャンプー指名No. 1コンビに聞く
「シャンプーなんてつまらない」となかなか身が入らないアシスタントさんがいる一方、「シャンプーが上手いアシスタントは良い美容師になる」、「シャンプーでその美容室がどんな美容室かわかる」などシャンプーを重視するお話もよく耳にします。
まさにシャンプー教育に多大なるパワーを注いでいるのが、カリスマブームの火付け役サロンとしても知られるACQUAです。シャンプー指名No. 1の小俣さんとその先輩アシスタントの内田さんに指名をもらえるアシスタントになるコツや、ACQUAのシャンプーカリキュラムの秘密を一部教えていただきました!
50問中90%以上の正解が求められる秘密のテスト
編集部:噂によると、ACQUAさんには20年以上のシャンプーノウハウを凝縮させた企業秘密の筆記テストがあるのだとか…?
小俣:そうなんです。問題が50問くらいあって1次試験の合格は90%以上、2次試験以降は満点を取らないと合格できません。内容は、シャンプーとトリートメントの知識が中心です。シャンプー剤にどういう成分が含まれていて、それがどういう効果を発揮するのか、さらにそれが、どんなお客さまに向いているのかを理解するためのものですね。
内田:シャンプーもトリートメントもどんどん種類が増えるし、進化していくからテストの内容も変わります。私が受けたときと、小俣が受けたときだと内容が違うんですよ。ACQUAのアシスタントは、お客さまの頭皮と髪を診断して、適切なシャンプーやトリートメントを選ぶことができ、きちんとお客さまに説明できるように訓練しているんです。
小俣:カウンセリングのテストもあります。髪のお悩みが「パサつき」だったら、その原因をまず探ります。「いつから気になりますか?」とか「最近、シャンプー剤変えました?」とか。「パサつき」と言っても、その原因によって選ぶシャンプー剤、トリートメント剤が変わるからです。
編集部:何種類くらいシャンプーを用意しているんですか?
内田:20種類以上あります。トリートメントも同じくらいありますね。シャンプーとトリートメントをそれぞれ状態に合わせて選ぶので組み合わせは無数にあります。
小俣:先輩たちの頭の中に全部知識として入っているので、カウンセリングのテストでもチェックが厳しいんですよ。
「みんなに洗われすぎて頭の感覚がなくなる」徹底的な技術練習
編集部:実際の技術はどうやって身につけるんですか?
内田:それはもう同期と先輩の頭でひたすら練習するしかないですね。通常のレッスンで1週間に30体から40体の先輩やモデルさんに協力していただき、時間を測ってやります。そそれだけじゃなくて、同期同士や先輩をなんとか捕まえて自主練もするから、その倍は洗っていると思いますね。
小俣:1年生全員で毎日やっているんですけれど、整髪料でガチガチに髪を固めている先輩の頭を洗うときは、制限時間内に終わらせることが大変なんです。
内田:マッサージの時間も含めてカウントするのでかなりタイトなんですが、実際の営業のことを考えると15分以内で終わらせないとサロンが回らなくなってしまうんですよね。
編集部:当然、自分の頭が洗われることもあるわけですね。
小俣:もちろんそれもありますし、シャンプーが上手な先輩にお願いして洗ってもらうこともあります。やっぱり、実際にやっているところを見たり、洗ってもらう感覚を体験することが大事だと思っているので。
内田:ちなみに、シャンプーの練習のためにめちゃくちゃ頭を洗われるので、頭皮の感覚がなくなることがあります。「あれ、私の頭、どこにいった?」みたいな(笑)。
編集部:練習中もカウンセリングからやるわけですか?
小俣:そうです。例えば、私たちだったら二人ともブリーチカラーで同じようなダメージ具合なので、ブリーチカラー用のシャンプーとトリートメントを使います。抜け毛や髪のパサつきなどの悩みがある先輩に対してだったら、しっかり原因を探りながら、その状態にあったものを選びます。本番と一緒ですね。
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