apish流ファーストシャンプーでお客さまの心をつかむ! —apish AOYAMA 大平泰憲インタビュー—
海外からもお客さまが!? 噂のヘアスタイル秘話
-某ヘアカタログでグランプリを取られたヘアスタイルはいつ作られて、またどういうコンセプトだったのでしょうか?
「このスタイルを作ったのは2014年の2月くらいですね。自分の中で“ナチュラルを極めよう”と思っていて、『くせっ毛の人はまっすぐにできます』『直毛の人はパーマかけます』というのが今までの美容師像だったと思うんですけど、そうではなくて、元々あるくせやカラーも活かしてスタイルを作ってあげたいと思っているんです。
その中でこの作品を作るにあたって、実はこのモデルの子が、ノンパーマでもくせが出る髪質で、カラーも黒染めでムラムラだったんです。そこで、くせ毛を活かして自然乾燥でもパーマスタイルになりやすいようにカット。ムラ感のあるカラーも、くせがでたときにランダムな動きに見えるようにそのまま活かし、ハイライトだけ入れてデザインカラーにしよう! という感じでできたスタイルでした」
-このスタイルをきっかけにお客さまは増えましたか?
「来店してくれるお客さまが多くなりました。不思議と僕の好きなスタイルだからか、このスタイルを見て指名してくれたお客さまのリピート率がほぼ100%に近いですね。この間はシンガポールの美容師さんが日本語が話せないにも関わらず、このスタイルを見てわざわざ来ていただいたりもしました」
-海外からも! こんなにたくさんの人に広まると思っていましたか?
「実は全く思っていなくて。純粋に僕が作りたいものを作ったんです。僕が本当に好きなものを作ったらどこまで評価されるかを試すためにヘアカタのコンテストに出したので、それが評価されたのは余計に嬉しかったです」
ファーストシャンプーでお客さまの心をつかむ!
-大平さんが接客するにあたって大事にしていることはありますか?
「ファーストシャンプーを1番大事にしますね。初めてのお客さま、特に女性をカウンセリングするときにはまだ美容師とお客さまというスタンスより、まず男女の壁があるので、とりあえず大まかな希望のスタイルだけ聞いて、最初のシャンプーは僕が入らせてもらいます。そこでようやく、普段は何をしているのか? とか少し踏み込んだ話を聞きますね。シャンプー台は絶対に目が合わないので、緊張感がほぐれて最初のカウンセリングより話しやすいと思うんですよ」
-ファーストシャンプーをスタイリストが担当することって、大きいサロンではかなり珍しいと思うのですが。
「apishは多いですよ。先輩から見習って僕もファーストシャンプーを大事にしています。シャンプーをしているだけで話も広がりますし、同時にお客さまの情報を得ることができるんですよ。例えば、お客さまの職業によってはカラーやパーマの制限もあると思うので、シャンプーを担当することで細かいメニューの部分でも提案しやすくなりましたね」
-では最後に大平さんの将来の目標はありますか?
「メンズ美容師はそれほど息が長くないので、自分の店を持ちたいと思っています。自分がサーフィンやバスケ、洋服も好きなので、そういったものを複合で見せられる今までにない美容室をつくりたいという思いはあります。apishは、やりたいことをとことんやらせろ。という方針なので、将来自分のやりたい道が1番叶うお店かなと思っています」
- プロフィール
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apish AOYAMA
大平 泰憲(おおひら やすのり)
石川県出身。2008年にapishに入社。統括ディレクター網野のメインアシスタントとして、セミナー撮影などに同行しながら、自身のセンスを磨きapish最速でスタイリストデビュー。持ち前の明るさと打ち解けやすい雰囲気でファンも多く、特にパーマには強いこだわりを持つ。一人ひとりの骨格・雰囲気・ライフスタイルに合わせた技術に定評があり、デザイン性の高いヘアスタイルなども高い支持を受けている。
(取材・文/QJナビ編集部)
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