一つひとつの仕事に思いを込めれば、それは必ず相手に伝わる -ACQUA 泓田 崇さん U29次世代美容師-

精神誠意お客さまに接すれば、おのずと結果はついてくる

 

 

お客さまからクレームをいただいたとき、小村から「誠心誠意お客さまに接すれば、おのずと結果はついてくる」と教えてもらいました。僕はその言葉が大好きで、今もカルテの裏に書いてあります。その言葉を知って以降、僕は誠心誠意お客さまに接することに専念してきました。

 

副店長、店長、ディレクター、社長の専属アシスタントをしてからスタイリストデビューできたこともよかったですね。それぞれ、技術や接客のスタイルがまったく違うのでその分、学びも多かったです。自分が天狗になりそうになると、必ず誰かに鼻をへし折られました。

 

社長の綾小路からは技術というよりは、お客さまとの向き合いかたや、お客さまから何を学ぶか、人間性をどう磨いていくのかというところを学びました。綾小路がお客さまに注意する場面もあったりして、その信頼関係の強さを感じましたね。

 

そして、満を持してデビュー。初月売上は70万円でした。すべて自分でハントして集めたお客さまです。売上が150万円を超えるまでは、ずっとハントのみ。終電がくるまで毎日ハントしていたんですよ。ハントの仕方も直球で「僕のお客さまになってください」と伝えて、名刺をお渡しするだけで、自分から連絡先を聞くことはありませんでした。あんまりガツガツこられたら女の人は嫌がるだろうなと思ったからです。そうして少しずつリピーターが増えて、右肩上がりで売上が伸びていきました。

 

コツコツと日々の積み重ねだけで結果を出してきた

 

 

何かのきっかけで注目されて、一気に人気美容師になった人もいると思います。でも僕には特別なきっかけって一つもなかったんですよね。ハントしたお客さまがきてくれて、3カ月後にリピートがあり…という繰り返しでやってきました。

 

ACQUA omotesandoで活躍している同期の服部大起がハイライトで爆発的にヒットしたり、ショート美容師として先輩の紺野善仙(現unplugged)が注目されたりしていることにも気づいていました。だからといって、自分がそれと同じことをしてもうまくいかないんですよね。

 

あるとき先輩に「あいつらはやりたいことがわかっているんだよ。泓田はそれがわかっていない状態なんだ」と言われてカチンときたんですが、でもその通りだったと思います。その後、転機になったのはミルボンのカラーセミナーに参加したこと。そこでカラーのメカニズムに興味が湧いて、カラーの知識をサロンワークにも応用するようになったんです。そして編み出したのが、ラベンダー系やグレー系の艶のある暗い髪です。

 

3色以上のカラーを混ぜると濁るので、してはいけないというのがセオリーだと思うのですが、僕は出したい色を出すためにあえて濁らせています。今はハイライトが人気ですが、明るくしたら必ず暗い色に戻したくなる人もいるはずだと思うんですよ。夏は明るいほうがいいかもしれないけれど、冬になったらきっと暗髪は支持されるはず。暗い色の髪を得意にしているサロンは少ないから、それを求めるお客さまも増えると思うんですよね。

 

それともう一つ、これから大切にしていきたいと考えてるのは、自分のやってきたことを後輩に伝えていくことです。僕は日々の積み重ねでここまでやってきました。誠心誠意お客さまと向き合えば結果がついてくることや、自分の好きなことを突き詰めることの大切さを伝えていきたいです。

 

 

プロフィール
ACQUA
泓田 崇(ふけだたかし)さん

広島県出身。広島美容専門学校卒。ACQUA入社。副店長、店長、ディレクター、社長というACQUAを代表する美容師の専属アシスタントを経てスタイリストデビュー。透明感のある新感覚の暗髪、特にラベンダー系、グレー系カラーがSNSなどで人気。現在はスタイリストだけではなく、スタッフ教育などでも手腕を発揮している。

 

 

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