時短営業で売上&笑顔増!つくば発の「働き方改革」

時短のきっかけは「体調悪化」。売上Upはうれしい誤算

 

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―売上を上げるためにサロン全体で取り組んでいることはありますか?

 

宮本さん:特にありません。強いてあげるとしたら、サロンの雰囲気をよくするくらい。自分もスタッフもみんな笑顔で、楽しそうに働いていたら、お客さまもサロンに入ってきやすいですよね。僕は「数字を上げろ」とも「技術を磨け」とも言いません。本人がやる気にならなきゃ意味がないですから。僕にできることは、働きやすい環境をつくるのみですね。

 

-定休日が増えることや営業時間短縮に対して、お客さまの反応はいかがでしたか?

 

宮本さん:事前に伝えてくれれば大丈夫という声がほとんどですね。月曜日しかくることができなかったお客さまも、別の曜日の仕事終わりにきてくださったりとか。少し負担をかけてしまって申し訳ない気持ちはありますが、お客さまからの悪い反応は一切ないです。

 

-そもそも、週休2日制や時短営業を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

 

宮本さん:僕が体調を崩したことが原因だったんです。一度、足首がものすごく腫れてしまい、リュウマチ系の病気の疑いがあるということで2週間くらい検査入院したことがあります。そのときに、大変な病気で苦しいはずの病室のみなさんが、僕のことをとてもいたわってくれたんです。その様子を見て、他人事ではないと思ったんですよね。まるで働いているときの自分のようだと。

 

僕も退院すれば、お客さまやスタッフに気を遣ってばかりで、夜遅くまで働くことになる。でも、自分のことをいたわらないまま働き続けたら、体が悲鳴をあげてしまうんじゃないか。

 

一般的な会社からしたら美容室は異常ですよ。労働時間は長いし休日は少ない。自分のためにも、スタッフにのためにも労働環境を変えていかなくちゃいけない。そう思ったから、まずは自分が週休2日にしてみた。それがすべての始まりです。

 

正々堂々と経営したら一般企業に負けない会社になった

 

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-休みが増えることに対して、スタッフはどんな反応をしましたか?

藤田さん:連休になったのは素直にうれしいですよ。行けなかったところにいける、会えなかった人にあえるとか、休みの過ごし方がとても豊かになりました。極端な話、2日あれば海外旅行も行けますしね。それに、2日あれば1日遊んで1日体を休められるのもいいですね。

 

サロンが定休日というのも重要なポイント。なぜなら、自分が休みでも、サロンが営業しているときは問い合わせの連絡が入ってきたりして、気持ちが休まらないですから。でも、お客さまからの連絡がこない定休日なら心置きなく休日を満喫できます。スタッフみんなが感じていることではないですかね。

 

―美容業界を見渡すと、まだまだ週休2日制、土日祝の営業短縮は珍しいです。なぜジールサロンは実現できるのでしょうか?

 

宮本さん:ある税理士さんは「美容室オーナーは税金をごまかすことばかり考えているから美容室は担当したくない」って言っていたんです。それを聞いて僕は悔しかった。しっかり勉強して、正々堂々と経営をしようと決意したんです。週休2日制や社会保険加入、ボーナスも支給しているのですが、新しいことを始めるためには元手が入ります。真面目に経営をしていればおのずと内部留保(会社としての蓄え)が増える。そして、内部留保があるから、新しい投資(チャレンジ)ができる。チャレンジしたら働き方が変わり、モチベーションもあがって、売上も増えた。それだけのことなんです。

 

大事なのは、会社のお金をどこに使うか。それがウチの場合はスタッフだった。だから会社が伸びたんだと思います。もし僕が会社を私物化して、集めた利益で車を買ったりしていたら、それで以上発展しません。

 

もちろん、社長は会社のためにすべてを捧げるべきとか、そんなに極端には考えていないですよ。それなりの報酬をもらっていないと、スタッフに還元しようという気持ちになれないかもしれませんから。つまり、労働環境を改善したり、スタッフに投資できないサロンというのは、お金の使い方のバランスが悪いんじゃないでしょうかね。

 

>家庭円満・不仲はサロンでのパフォーマンスに影響する

 

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