珠実の¥マーク 第1回「フリーランスになったが収入が安定しない」ー相談者 田中亜彌(32)さんー
珠実:ターゲットが白髪染めをなさる世代と男性客っていうのはそれぞれタイプの違う客層ですが理由はなんでしょうか?
亜彌:以前のサロンがエリア的に女性は40〜50代の方が多く、また男性のお客さまも元から多いんです。あとは私の性格的に会話がしやすいと思って。私って、ゲームとかお酒が好きなんです(笑)。あと料理も好きなので大人世代の女性と会話が弾むんです。
珠実:いいですね! 好きなものを掘り下げることで、女性ならではのパワーがあると思います。単価を上げるためにできる施術のイメージはどうですか? 亜彌さん、そんなに白髪染めの技術について努力してましたっけ?(笑)
亜彌:ううう…ご指摘の通り、目標とは言いつつ取り組めていません。そうですね、今はまだできていませんが、カットだけの男性客にヘッドスパや眉カットを勧めたり、パーマの提案も増やしてみます。白髪染めは、得意と言っても最近技術的な勉強を怠っていたように感じるので、もう1度勉強し直してみた方がいいと思いました。
珠実:NOT¥!!(のっとえんまーく!!)
やっぱり「人に負けないくらい努力した」って思って提案しないとお客さまにも伝わってしまいますよ! 私も、今でもロリータファッションの勉強は欠かさないです…。
亜彌:えっ! 珠実さんが?
珠実:もちろんです。最新のデザインやレースたっぷりの髪飾りに合わせられうようにしないと。でも、苦じゃないです。お客さまが喜んでくれるんで!
あとは、せっかく「ゲーム」「お酒」「料理」っていう好きなものがはっきりしているなら、もっとSNSなどの発信に取り入れてみるのはどうですか? 亜彌さんのところにいってみようかなっていうきっかけになりますよ。趣味が共通していると会話も弾むし、一緒にいて心地よい美容師さんって魅力的。再来率も上がると思います。
私は、女性は「好き」っていうエネルギーをお金に変えることができると思っているんです。なぜって精神的なストレスがなく取り組めますから。心のストレスはいい結果を生まないし、長く続けられない。
30代になると、美容師の経験はある程度あるわけですから、結果がついてくれば、自分の仕事に自信を持てる。キラキラ輝いている女性は同性異性問わず、とても魅力的に映りますよ! お客さまは、そういう美容師さんに担当してもらいたいものです!
亜彌:そうですね、具体的に目標も強みも定められていなかったことがわかりました。私も、お客さまに喜んでもらえるように強みを磨きたいです。あと、フリーランスになる準備が足りなかったと思いました。今までの環境ではないところに身を置くことをゴールにしてしまったというか。
珠実:そうですね〜。フリーランスはよくも悪くも自分次第。つい「時間ができる」「煩わしいことがなくなる」って思いがちですが、実際は基本給はないし、保障もありません。もっともっと準備するべきことがあったでしょうね。
でも、逆に考えれば、フリーランスになったいま、亜彌さんができることは広がっていく一方です。以前のサロンでは取り組めなかったこと、想像できなかった未来に向かえるチャンスがあることには変わりはありません。
初心を大切に。いざというときはその気持ちを思い出して、一緒に頑張りましょう!
まとめ
point.1 好きなことでお金をもらう!=ポジティブに仕事をしよう!
point.2 目標は数字で具体的に!=目標収入に向かって、細く分析(客数や客単価など)し、成功したイメージを持つ。そのために施術や提案は何ができる?
point.3 フリーランスになる場合は準備をしっかりと!=収入が不安定になることで自分に自信がなくなりがち。生活が変わる想像をしよう。
(文/珠実・撮影/菊池麻美)