美容師のためのゼロから始める創業計画書の書き方!
融資には、審査が必要です。その審査に必要なのが「創業計画書」。この書類をどう書くかによって、融資が受けられるか否かが決まると言っても過言ではありません!
とはいえ、「創業計画書」について知らない人も多いはず。今回は、創業計画書ってなに? という基本から、書き方のコツなどの応用までご紹介。サロンの創業手続きや経営サポートに実績のある、萩原健志税理士事務所・代表の萩原健志さんご協力のもと、創業計画書について知っておくべき内容を一挙公開します!
※日本政策金融公庫:100%政府出資の政策金融機関
※自己資金:返済義務のないお金、通帳で確認できる現金のこと
※融資:お金を必要としている人に金利(利息)をつけて貸すこと
そもそも「創業計画書」って?
創業計画書は、日本公庫の融資制度を利用するときに必ず必要となる書面。美容師として今までどのような技術を身につけ、これからどんなサロンを開業するのかを記載します。
日本公庫の創業計画書は上の用紙1枚。この1枚の書類から、あなたのサロンが利益を出し、計画的にお金が返せる「返済能力」があるのかが見られるのです。ちなみに、この用紙をベースに1時間の面接審査も行われます。面接では創業計画書の説明を求められるケースもあるので、記載した内容を自分自身で十分に把握しておくことも必要です。
創業計画書って具体的にどんなことを書けばいいの?
創業計画書には、大きく8つの項目を記入します。ここでは「創業動機」「経営者の略歴等」「取扱商品・サービス」の欄についての基本をご紹介します。
1.創業の動機
創業をしたいと思った理由や目的を書く欄です。具体的に記入しましょう。例えば、「友だちから勧められて…」といった主体性がなく、意欲が弱い内容はマイナスの評価を受けることもあるため要注意。また「サロンを経営してみたかった」などのアバウトな理由も避けたほうがよさそうです。
記入例:
美容師として独立を目指し12年間勤務。固定客が80名を超え、貯金額も目標額に達し自信がついたため店をもつことにした。
2.経営者の略歴等
勤務先の名称や、どんな役職に就いたのか、過去に事業を経営したことがあるのか、取得技術の他、自身の著作物などの知的財産を書く項目です。勤務先や役職などの名称は、略さずにすべて正式名で記入します。
記入例:
〇〇美容専門学校卒業
ヘアサロン〇□△ 5年勤務(月給23万円)
△△美容室 6年勤務 役職 サロンディレクター
3.取扱商品・サービス
・取扱商品・サービスの内容
カットやカラー、トリートメントなど、サロンで提供する商品や、料金などのサービスの詳細を書く項目です。シャンプーやブローはカット料金に含まれているのかなど、具体的に記入します。
記入例:
カット(シャンプー、ブロー込み)6,000円
カラー(カット込み)12,000円
・セールスポイント
開業するサロンの強みや特色、売りを書きます。「自宅のようにリラックスできる店」というような、イメージがしにくいセールスポイントでは他のサロンと差別化ができず、お客さまの来店が見込めないと思われてしまう可能性が。予備知識のない金融機関の人でもわかりやすいよう、サロン備品のジャンルやサービス特徴などを具体的に書き、あなたの店の特色を表します。
記入例:
オーガニックシャンプーやダメージの少ないカラー剤を使用し、自然にも人にも優しく、ケア志向の高い美容室がコンセプト。完全予約制ですべて個室。プライベートな空間で顧客に心地よさを提供する。
・販売ターゲット・販売戦略
既存や新規など、どのようなお客さまが見込めるのか、どのように売り上げを立てていくのかという戦略を書きます。現在の固定客数やオープンするサロンの立地を考えて、お客さまを獲得できる要因を記載します。
記入例:現勤務サロンの固定客80人を中心に、オープンするサロンの地元フリーペーパーに情報を掲載し新規客を獲得する。
・競合・市場など企業を取り巻く状況
美容業界のトレンドや競合の状況、顧客獲得の根拠などサロンが成長できる理由を書く欄です。
記入例:
サロンオープン予定地は駅から徒歩5分圏内で、大型ショッピングモールなどの商業施設が並び、人通りが多い。現勤務サロンの顧客もアクセスしやすい立地である他、近隣に美容室が少ないため新規の顧客獲得も見込める。