学芸大学前から発信 「siika」サトーマリさんのクリエイティブの育て方

アットホームな雰囲気のなかでも、自分を磨く視点は忘れずに

 

 

産後は時短で働いていますが、これまで大切にしてきたお客さまを手放さなければならなかったのは、想像以上につらかったです。特に、産休前のお客さまを後輩にまかせることにしたときは、超くやしかった(笑)。そうなったのは、産後の自分のキャパシティなどを考え、後輩に「よかったら、自分のところに残りませんか?」とお客さまに伝えてもいいよ、と提案したから。だけど、自分はこんなにお客さまのことを好きだったのかと改めて気づきました。

 

接客ではアットホームな雰囲気を大切にしていていますが、気をつけているのは自分から心を開くことです。アシスタントを巻き込んでワイワイとやっていますが(笑)、そうやってフレンドリーに距離を縮めていくのが私のやり方です。

 

そんな雰囲気の中でも、アシスタントや後輩に伝えるべきことは、しっかり伝えるようにしています。今、叱らないのをよしとする風潮がありますが、仕事をするのは生きるために不可欠なこと。だから、先輩として厳しく教えるのは当たり前だと思っています。別に憎くて叱るのではなく、クリエイティビティや技術を向上さるために必要なことを伝えているだけなのですが、その思いを理解してもらえないこともあります。人を育てるのは、むずかしいですね。

 

“かっこ悪い自分”と向き合い、たくさん恥をかいて大きくなろう

 

 

今、注意されると「否定された」と感じてくじけ、自分の殻に閉じこもってしまう人が多いように感じます。私もこの仕事をはじめた当初は、いかに自分がダサいかを嫌になるくらい思い知り、たくさん恥をかきました。でもそうした思いをバネにして、ここまでこれたのかもしれません。かっこいい作品をつくれるようになるまでは、かっこ悪い自分ととことん向き合いながらも、めげずにしつこく、感性を磨き続けることが大事なのではないかな、と思うんです。

 

先輩に厳しい一言を言われて悔しい思いをすることもあるでしょう。でもそれは自分が成長するための貴重なヒントかもしれない。どんな道を極めるにも、越えなければならない山が必ずあると思います。その山を越えるためには「この道で生きてやろう」という粘り強さが必要で、社会の中で自分自身の足でしっかり立っていこう、という決意がないとできないことなのかもしれません。

 

>納得できるまで努力すれば、必ず認めてくれる人がいる

 

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