Gigi吉野さんの、仕事もプライベートもあきらめない生き方
表参道にあるサロンGigiには、都会にいるのを忘れさせてくれるほど、緑あふれる心地よい空間が広がっています。美容業だけではなく、インテリア工事や、植物の繁殖・販売も行っている多才なオーナー(間島勇大さん)のもとで働く吉野けいこさんは、1歳の子どもをもち、現在は二人目を妊娠中。結婚を機にゆっくりとした働き方にシフトし、仕事もプライベートも大切にしている吉野さんに、仕事への思いや働き方の変化などについておうかがいました。
ライフステージに応じた働き方を模索して
結婚して子どもができるまでは、毎日が仕事一色の日々。休みの日にも雑誌の撮影やカットモデルの撮影をして、仕事人間でした。30歳は女性にとってターニングポイントですが、私の場合は30歳に近づくにつれ、結婚したいとか、将来子どもが欲しいな、などと考えるようになり、29歳での結婚を機に、仕事を少しゆっくりとしたペースにシフトしていきました。
その後、子どもが生まれて1年ほど産休をとり、1歳になるまでは前の職場でとても楽しく働かせていただいていました。でも、二人目が欲しいと思った時点で、大きなサロンより何かと融通のきく個人経営のサロンへ転職したいと思いました。そう考えていたタイミングで、以前務めていた職場の先輩でもあったGigiのオーナー・間島勇大さんとたまたま連絡をとる機会があって意気投合し、入社を決めました。出産、子育てなどのライフスタイルの変化とともに、理想の働き方は変わってきます。Gigiなら、そうした変化に柔軟に対応してもらえると思いました。オーナーにも、「入社してすぐに産休に入ってしまうかもしれません」と二人目が欲しいことや、子育てを重視したいことなどを伝えたのですが、「それは問題ないよ。そうなったら働きやすいように働いていいよ」と言ってくださって。そうしたら本当に入社1カ月で妊娠していることがわかり、驚きました。
一人目の出産のときは、正直、産休をとると、お客さまが離れてしまうのではないかなど不安もありました。でも、産休や時短の働き方で時間的な余裕ができると心の余裕もでき、お客さまとの会話がはずんで関係性がより密になりました。技術ももちろん大切ですが、お客さまとの間の空気感も同じくらい大切にしたいので、その点はよかったですね。
子連れでも安心の環境づくりを
Gigiのオーナーは柔軟で、スタッフの「こうしたい」という意見を尊重し、あっという間に形にしてくれます。だからGigiはお客さまに居心地よく、スタッフにも働きやすく、常に進化しています。たまたま、Gigiオーナーと気が合って転職しましたが、想像していた以上に意見をどんどん取り入れてくれるサロンだったので、「より働きやすい環境づくりをしたい」という希望も叶いました。
子育ての視点で見ると、いろいろと気づく部分もあります。たとえば、子連れのお客さまのために部屋をドアで仕切って貸し切りできるスペースをつくったり、子どもが床で動きまわれるようにマットを導入したり、ベビーカーの方が入り口の階段を使わなくてもすむよう、車いす用昇降機の整備(もともとあったものを使えるように整備)をするなども、オーナーにお願いして実現したことです。その他にも、お客さまが立ち上げたアクセサリー・ブランドの商品を置くスペースの設置や、スタッフがより働きやすいよう、スタイリング剤を置くワゴンの設置なども、相談したらすぐに実現してくださいました。思ったことを、気軽にオーナーに提案できる風通しのよさは、小さなサロンならではかもしれません。
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