ママ友、夫、そしてお客さまのおかげで実現した夢
独立願望を話したら、とんとん拍子で実現へ
新しい環境で集客できるか不安がなかったわけではありません。でもFacebookなどで私を見つけ出してくださるお客さまもいて、とてもありがたかったです。
新しいサロンに勤めてからは働く時間も比較的自由になりました。予約を調整することで、働くペースが落ち着いている日は、系列店へマツエクのレッスンを受けに行くなど、自分で働き方をコントロールできるようになりました。しかも、子どもの送り迎えも規定時間内にできて、保育園の延長料金を支払うこともなくなったんです。
やがて下の子が生まれ、おんぶしながらフロアに立っていた時期もありました。またしばらく大変だったけれど、その子も認可保育園に入ることも決まり、「これから少し時間に融通が利くようになるかも・・・。今なら独立できるかもしれない!」と思ったんですよね。
ママ友とおしゃべりしているとき、独立の準備をしていることや、物件を探していることなどを話していたら、なんと「空き予定があるから見にきて」と物件を紹介してもらえたんです。それが今のrêve33 の場所。また別のママ友は、実家が内装工事業をしているということで、サロンづくりに協力してくれることになりました。
手持ちの資金だけでは諸費用を賄えなかったので、日本政策金融公庫から融資を受けています。このときは夫が一切の手続きを請け負ってくれたんですよ。内装費を抑えるために夫婦でペンキを塗ったりもしました。そのほか、ホームページをつくったり、Instagramを更新してくれたりと、夫にはいろいろと助けられています。
「ママはチョキチョキ屋さんなんだよ!」と娘も大喜び
4月から独立に向けて動き出し、9月にはオープン予定だったので、かなりバタバタしました。オープン当日も固定電話もないし、クレジット端末もないし・・・(笑)。お客さまからは、「くるたびにモノが増えているね」と言われてしまう始末。走りながらサロンづくりをしてきました。
今のところみなさんの力添えもあり順調にやっています。「今のサロンが一番落ち着くわ」と言ってくださるお客さまもいるんですよ。完全個室型のマンツーマン接客にしているので、予約の調整がよりシンプルになりましたし、お客さまとの関係もより密になりました。子どもが熱を出してしまったときは、お客さまに相談して予約を変更していただくことも・・・。子育てに理解のあるお客さまに恵まれていて本当にありがたいです。
そして、何より子どもたちに働いている姿を見せられてうれしい。「ママはチョキチョキ屋さんだよ!」って、お友達にも自慢しているみたいです(笑)。今頭の中で思い描いているのは、子どもたちが学校帰りにサロンにきて、バックヤードで宿題をしたりして、営業が終わったら一緒に帰るというイメージ。子どもたちには、私が頑張っている姿を見て、何かを感じとってほしい。そのためにも、細く長くサロンを続けていきたいです。
♦♦♦ 応援メッセージ♦♦♦
失敗しても命まではとられない!
私が独立できたのは、突き詰めて考えると「もし失敗しても死なない」と腹をくくれたからだと思います。実際、融資額が少ないし、莫大な借金を背負うことはありません。内装などはほとんど手作りですしね。あと、私はマツエクの技術を持っているのですが、これがかなり重宝しています。ヘアスタイリストとしての技術以外にも武器を持っていると、いつか自分を助けてくれるかもしれませんよ!
- プロフィール
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rêve33
オーナー/スタイリスト/大和 麻央(やまと まお)
大阪府出身。ル・トーア東亜美容専門学校卒。二人の娘の母。横浜市内のサロン勤務を経て、2016年9月に完全個室プライベートサロン「rêve33」を立ち上げる。コンセプトは『大事な人にだけこっそり教えたくなる隠れ家サロン』。横浜大さん橋すぐの静かな場所で、ひっそりと営業している。
(取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
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