『新しいことにチャレンジできるのは彼女のおかげ』-美容師夫婦、成功と円満の秘訣-Vol.1
彼女のサポートがあるから「新しいことをやってみよう」と思える
-2人が考える、夫婦でサロンを経営することのメリットは?
西島さん「1人で経営するのとは、精神的な負担が全然違うと思いますよ。よく経営者は孤独と言われますが、それを感じたことはありません。経営者になると、サロンワーク以外の仕事がそれこそ山のように増えますよね。忙しくなって手が回らないときに、簡単な書類作成はスタッフにも手伝ってもらいたくて『忙しいのにごめんね』と頼みながらも、一方で『なんでこんなに引け目を感じながらお願いをしなくちゃいけないんだろう』という思いもあるんです。彼女はそういうことにも気づいてくれて『出さなきゃいけない書類があるんだよね。私がやっておくよ』って」
大須賀さん「それはもう、私にできることがあるなら、なんの苦もなくやりますよ」
西島さん「それそれ。『なんの苦もなく』って、思って、実際に行動してくれる存在がすぐそばにいるということがどれだけ心強いか。彼女がそばにいてくれるからこそ、『また新しいことにチャレンジしてみよう』と躊躇なく思えるんです」
-夫婦でのサロン経営がうまくいく秘訣は?
西島さん「そうですね。あくまでもうちの場合ですけど、一緒に働かないことですかね(笑)。BALLOON HAIRとLARRYで、別店舗で働いているのが大きいと思います。僕はBALLOON HAIR、彼女はLARRY。BALLOON HAIRの全体ミーディングにも、彼女には出ないでもらっています。
夫婦がツートップになると、ほかのスタッフはトップ2人の指示待ちになってしまって、どうしても受け身になってしまうと思うんです。大切なのは、夫婦以外に右腕をつくること。そうしないと、サロンとして伸びていかないと思うんですよね。
たとえば、うちのスタイリストがヘルニアになったことがあったんです。(BALLOON HAIR)店長のウツギが『彼女を休ませなくちゃ』と率先して説得してくれました。そのほかにも、新卒採用や会社説明会など、すべて彼が筆頭になって取り仕切ってくれているし、新人スタッフのスタッフ写真撮影やヘアスタイルプロデュースもほぼやってくれているんです。もし夫婦がツートップになっちゃうと、店長のやりたいことや改善したいこと、早く決断してあげたほうがいいことまでも、トップからの指示待ちになってしまうんじゃないかと思います」
大須賀さん「私も自分の存在があまり大きくならないようにしようとは思っていますね。BALLOON HAIRの全体ミーティングには出ていないのですが、その分、スタッフと個人的に連絡を取って仲良くしています。ときにはスタッフから相談を受けることもあるのですが、それはオーナーの奥さんという立場ではなく、1人のスタッフとしてコミュニケーションを取っているから、みんなも私に話しやすいのかもしれません」
-最後に、将来の夢を教えてください
西島さん「人を育てたいという想いで独立したので、美容師を長く続けられる人をもっともっと増やしていきたいですね。」
大須賀さん「いいパートナーになれるように、そして彼を支えていけるように頑張ります」
西島さん「将来、BALLOON HAIRが拡張移転したりとか、もっと年を重ねて、経営を誰かに譲ったりするようなことがあったとしても、この場所(LARRY)だけは2人でずっと守っていきたいと思っているんです」
- プロフィール
-
BALLOON HAIR/LARRY
代表 西島 佑樹(にしじま ゆうき)
青山、原宿の有名店で10年間勤務後、独立してBALLOON HAIRをオープンし、その2年後に2号店LARRYをオープン。1人1人のライフスタイルに合わせた、ナチュラルなスタイルづくりが得意。
- プロフィール
-
LARRY
スタイリスト 大須賀 千恵(おおすか ちえ)
都内数店舗で勤務後、BALLOON HAIRのオープニングスタッフに。現在は、2号店のLARRYをたった1人で切り盛り。飾らない人柄と丁寧な仕事にファンも多い。
(取材/文 池山 章子)
関連コンテンツ