『新しいことにチャレンジできるのは彼女のおかげ』-美容師夫婦、成功と円満の秘訣-Vol.1
人が辞めることの責任を100%背負いたかった
-大須賀さんが活躍する場所作りが独立のきっかけに?
西島さん「というのもあります。でも一番の大きな理由は、人を育てたいと思ったからですね。独立前に勤務していたサロンでは、せっかく後輩に技術を教えても、あっさり辞めていってしまうということを何度も経験しました。彼らとは家族や恋人よりも長い時間一緒にいたので、顔を見ているだけで『あ、辞めるんだろうな』とか、『辞める決心がついて気持ちがすっきりしたんだろうな』とすぐにわかるんです。
当時、雇われ美容師だった僕は辞める人を止める権利がなかったんです。独立を決めるまでは、アシスタントたちが美容師を辞めないようにモチベーションを上げるためにはどうしたらいいのか、自分が経営者ならどうするかを常に考えていましたね。ずっと美容師を続けていける人材を育てたい、出会ったアシスタントへの責任を100%背負いたい、というのが、独立した一番の理由ですね」
大須賀さん「彼はとても人を大切にする人なんです。その結果が今のBALLOON HAIRの明るくて楽しい雰囲気となってあらわれているんですよね。私もLARRY(2号店)を1人で任せてもらっているので、きちんと形にして返したいなと思っています」
-えっ!? LARRYは大須賀さんが1人で切り盛りされているんですか?
大須賀さん「そうなんですよ。シャンプーからスタイリングまで、全部1人でやりますよ」
西島さん「彼女が人に気を使うことなく、いきいきと美容師を続けていくには、それが一番いい形だと思ったんです」
大須賀さん「私も気持ち的にすごくラクだし、ゆったり過ごしたいというお客さまにも好評ですね」
西島さん「僕も日曜日だけはLARRYに出ているんですけど、日曜日の予約が埋まるのが異常に早いんですよ。お客さまが『(LARRYのほうが)落ち着くから』って。BALLOON HAIRは、お客さま全員(6セット面)が同じ話で盛り上がって、大爆笑がたびたび起こるような明るいテンションのサロンなので、雰囲気がまったく逆。LARRYにいらしてくれるのはうれしいですが、ちょっぴり心配になりますよね、BALLOON HAIRの方向性はこれで大丈夫なの? って(笑)」