美容師と、広告やテレビCMなどのヘアメイクの二刀流で活躍する丸林彩花さん。ヘアメイクを始めたきっかけや、ヘアメイクとサロンワークを両立させる働き方、そしてやりたい仕事や大きな仕事が巡ってくるようになった経緯などについて、お話をおうかがいしました。

先輩との出会いからヘアメイクの道へ

新卒で入った美容室を半年でやめて、中途で都内の大手美容室に入りました。アシスタントについた先輩がヘアメイクの仕事をしていたことから、メイク技術を教わるようになり、自分でもヘアメイクをやるようになりました。もともとヘアメイクをやりたいという気持ちはなかったので、そこでその先輩に出会わなかったら、ヘアメイクの道には進まなかったと思います。

ヘアメイクを始めてみるとやりがいのある仕事が多く、いろいろな仕事をやってみたい気もちが芽生えました。

ただ、勤めていたときは外部の仕事が自由にできないことがつらくて、営業後に毎日考えすぎて、よく鼻血を出していました（笑）。ヘアメイクの仕事をもらえるようになったものの、サロンにはよくも悪くも独自のブランディングがあり、イメージに合わないヘアメイクの仕事は、引き受けられないんです。どんな仕事をするのかはサロンが管理するのでやりたかったヘアメイクのオファーが受けられなかったり、逆に興味はなくても引き受けなければならないこともありました。

そんな環境にがまんできなくなり、先の予定も立てずに会社を辞めてしまったんです。

どんなに小さな仕事でも全力でやる！

本当に何も考えずに無計画に会社をやめたので、フリーランスになりたてのころは窮地に追い込まれました。でもその反動で、自分を奮い立たせることができたし、積極的に自分を売り込むきっかけにつながったのかも。

でも気持ちとしては、フリーランスになった途端、「めっちゃ楽しい、最高！」という気分でした。フリーランスになってからは、会社のしがらみもなく仕事を受けられるので、ストレスがなく、一度も鼻血は出ていません（笑）。たとえ失敗することがあったとしても、自分でやりたいことができる環境が私には合っているのだと思います。

フリーランスになってからは、女性誌や小さなファッションブランドのルックの仕事などに携わりました。ほぼ報酬がないような仕事でも引き受けましたし全力で仕事をしました。今では、そのとき一緒に仕事をしたプロデューサーやタレントさんから、テレビCMや広告など、大きな仕事をいただけるようになりました。小さな仕事でも手を抜かずに真剣に取り組んできたことが、今の仕事につながっています。

ヘアメイクはコネクションが大事、とよく言われますが、コネクションだけではここまでやってこられなかったと思います。結局、どんな仕事でも手を抜かずにいい仕事をしていくことが、次の仕事につながるのではないかと思っています。

SNSに作品をのせると依頼がくると思っている人も多いかもしれませんが、それは圧倒的なセンスを持っている一握りの人に限ってのこと。私はそうしたタイプではないので、SNS経由で依頼がきたことはほとんどないですね。

>美容師とヘアメイクとの両立