自分自身がパワースポットであれ! トップであり続けるための「ALBUM」NATSUMIさんの仕事の流儀
お客さまの悩みを率直に伝えられる女性美容師は絶対に強い
接客で大切にしていることは、基本的なことですが、自分自身がそうされたら嫌だなと思うことは絶対にしないことです。例えば、年下のお客さまであっても初めは必ず敬語をつかいます。そういう小さい気遣いの積み重ねが支持していただける理由になるのだと思います。
そしてお客さまの心をつかむためには、まず、こちらからお客さまの悩みを言い当てることがポイントだと思います。美容師であれば誰でも、パッと見れば、ハチが張っているなとか、くせ毛だなとか、色が抜きやすいかどうかなど、すぐに髪の特徴を見極めることができます。そうした悩みを率直に伝えることができるのは、女性の強みだとも思います。お客さまの悩みにいち早く気づくことができれば、「すごい、よくわかりましたね!」と信頼され、そのあと、お客さまの悩みや希望についても、さらに引き出しやすくなります。
色々な美容室を転々として自分のところにいらしたのは、どの美容室もしっくりこなくて、悩みも解決しなかったということ。だからまず、その悩みに寄り添うことこそが一番大事。どうすれば悩みが解決するのか、もっとよくなるのかのアイデアをお伝えして、最終的には、「おまかせします」と言ってもらえるようにしています。
お客さまから言われた通りにするだけでは、売れる美容師にはなれません。もちろんお客さまのご希望はお聞きしますが、その3歩も4歩も先をいくような提案をすることです。「ALBUM」の理念は、お客さまに感動を与え続け、お客さまの人生を豊かにしていくこと。お客さまを満足させるのはあたりまえで、その先の「感動させる」ところまでもっていくためには、お客さまの想像以上の仕上がりにすることが必要です。
落ち込んでも前に進めたのは、周囲の人のおかげ
これまで美容師をやめたいと思ったことはありませんが、一緒に働いていたアシスタントが、たった1週間でやめてしまったときは、正直きつかったですね。
「早くスタイリストとしてデビューさせてあげたい」という思いで一生懸命指導したつもりが、「怒られた、否定された」と感じたようで、反発してやめてしまったのです。伝え方の難しさを感じました。そのときは、私の気持ちを理解し助言を与えてくれた上司や、「NATSUMIさんに教わりたい」とついてきてくれた別のアシスタントの支えによって、救われました。
アシスタントが突然やめてしまえば仕事が滞り、ご予約いただいたお客さまに迷惑をかけてしまいます。そうしたことを二度と起こさないために、それまでの自分のやり方を反省し、変えなければならないと思いました。
よく考えれば、感情にまかせて注意すれば、注意された人には「怒られた」という印象が強く残り、本当に伝えたいことが伝わらないことに気づきました。それからは、「怒る」という感情を抑え、相手に正解を伝えるのではなく、「今、何が悪かったと思う?」などと問いかけて、自主的に自分の行動を振り返って正解を導き出せるように促すことにしました。そのようにアシスタントに対する接し方を変えてからは、自分自身も張り詰めていた気持ちがゆるで、少しラクになりました。