言われたことはまずは実践!「ミス・スポンジ」と呼ばれて 〜伊原亜里紗さんの吸収力〜
言われたことは素直に実践!「ミススポンジ」と呼ばれて
私は言われたことはすべて素直に実践し、身につけていくタイプで、「Lond」では「ミススポンジ」と呼ばれていたこともありました。人から言われたことを聞き逃さず、それをヒントに動いていけば、どんどん自分をいい方向に変化させることができます。
たとえば、24歳でスタイリストデビューしたときには、「若いけれど大丈夫?」とお客さまに心配されたこともありましたが、大人の街「銀座」で信頼されるためには、お客さまをいかに安心させるかが大事だということに気づかされました。
その後は、若く見えすぎないように、ヘアスタイルを変えたり、ヒールを履いたりして、お客さまに安心感を与えられるように心がけています。指摘されたことを素直に捉え、実践してみると、気づきがたくさん得られます。
「あたり前のことを丁寧に」が仕事の基本
新卒で入社したとき、先輩から「洗濯機に溜まったホコリまできれいにしなさい。そういうところに気づける人は、いい美容師になれる」と言われたこともありました。本当にその通りだと思い、実践してきました。
そうした経験を伝えたくて、新卒で入社したスタッフには、掃除も一から、私が教えています。掃除の大切さを伝えることは、人間性や美容師としての基礎を育てることだと思っています。
最近は、掃除をはじめ、「あたり前のこと」がいかに大切か、改めて感じています。たとえば、お客さまのご予約時間の5分前にはレジに立ち、お迎えする体制をつくることや、外部のセミナーに出るときも、出会った方々にしっかりと挨拶をすること、セミナーが終わったあとには、椅子の片付けなどを率先して手伝うことなど…。お店にいらっしゃるお客さまばかりではなく、どこへ行っても、誰に対しても礼儀を尽くすことが、美容師としての仕事にも、生きてくるのだと思っています。
◆◆◆応援メッセージ◆◆◆
これまで、辛いこともたくさん経験しました。モデルさんのカットをしはじめた頃は、どう髪を切ったらいいかわからず、本当に悩んで、病んでいましたね(笑)。人一倍練習をして切り抜けることができましたが、どんなに困難なときも、逃げたら終わりです。
絶対に逃げないことが大事だと思います。辛いときも、頑張った先に必ずいいことがあるはず。考えすぎず、直感を大切に、努力し続けることです。
尊敬する先輩から、「選んだ道が正解だ」という言葉をいただいたことがありますが、その言葉通り、すべては自分次第だと思います。選んだ道が正解だと信じて突き進めば、必ず道は拓けてくるはず。これからも、そう考えて歩み続けていきたいと思っています。
- プロフィール
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Lond 店長・エグゼクティブスタイリスト
伊原亜里紗(いはら ありさ)
神奈川県出身。山野美容芸術短期大学卒業後、「GARDEN」に就職。「Lond」を立ち上げた代表の一人、斉藤信太郎さんから声をかけられ、「Lond」に転職。アシスタントとして活躍した後、24歳でスタイリストデビュー、26歳で店長となり、現在3年目。確かな技術とセンス、誠実な人柄は、お客さまからだけではなく、スタッフからの信頼も厚い。
(文/揚石圭子 撮影/泉山美代子)