「人」と本気で向き合える、理想のサロンをつくりたくて

感性の鮮度が高いときに動いたほうが、うまくいく

 

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 よくスタッフにも言っているのですが、人がやりたがらないことや見えない部分も手を抜かず、やるべきと感じたら、考える前にすぐに動くことが大事だと思っています。

 店の開店準備でもそうでしたが、感じたまま、感性の鮮度が高いときに動いたほうが、自分らしく動けるし、得るものも多いと思います。「感じて動く」ことはたった1回しかできないことで、そこで「やろうかな、どうしようかな……」となったら、それは感じずに頭で考えているということ。そうなると、もう感性はフレッシュでなくなってしまいます。

 感じたまま動くと失敗もあるけれど、それは決して無駄ではなく、大きな学びも得られます。失敗しても「ああすればよかった、こうすればよかった」と考えないで、現状をよくすることだけを考えて、動きながら軌道修正していけばいいことです。

 失敗をうまく乗り切るコツは、自分の強みをひとつでもいいから、つくっておくこと。そうするとどこかに自信を持つことができ、笑顔を忘れずにいられます。笑顔だと前に進みやすいし、どんな苦労も乗り越えられる気がするんです。それに笑顔だと人との出会いやコミュニケーションのチャンスも広がります。

 

スタッフは家族。みんなでつくる真心サロン!

 

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 人は、「人」にしか感動しないものだと思うんです。相手あっての自分だから、「人」を大事にしたい。TOWAを、お客さまだけではなく、スタッフ、家族、業者さん、まわりにいる人たちみんなを、あったかい真心で包み込める場所にしたいと思っています。「TOWA」という店名は、私の育ての親である「千代子ばあちゃん」が教えてくれた人のあたたかさや人を信じる心を、「千代に永遠(TOWA)に」伝えていきたいという思いからつけました。

 

 スタッフは毎日一緒に働く、家族であり最高の仲間です。一人ひとりの力が必要で、誰かひとりでも欠けたらだめだと思っています。店内の棚やテーブルなどもスタッフの手づくりが多いのですが、DIYだけではなく、イベント企画、パソコンなど、それぞれ得意なことを生かして、よりよい店づくりのために力を合わせています。

 

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 お客さまのご家族も大事にしたいから、親御さんがカットしている横でお子さんが遊べるように小さな椅子やおもちゃも用意しています。いずれ、スタッフの子どもが生まれたときには、保育室もつくれたらいいですね。そうすればブランクなく、好きな仕事を一生続けられます。出産や子育てなどで一度仕事をやめてしまう美容師も多いのですが、今、そうした方々の仕事復帰のために、学び直せる場づくりを企画しているところです。

 

♦♦♦ 応援メッセージ♦♦♦

 一度やりたいと思ったことは、あきらめずに努力し続けることが大切です。そして何に関しても、やってもらうことより、やってあげることが多いほうが楽しめます。好きになってもらうのを待つより、自分から好きになったほうがいいし、困っている人がいれば自分から手をさしのべる。それは直接的にではなくても、まわりまわって何かの形で自分に返ってくるものだと思います。

「仕事」に大事にされるためには、一生、仕事に恋して、わくわくし続けること。そうすればきっと、自分自身も輝き続けられるのではないかなと思っています。

 

プロフィール
櫻井 範子さん(さくらい のりこ)

千葉県出身。東洋理容美容専門学校卒業。千葉市内の大手美容室に15年勤務。アシスタント時代から、スタッフの教育トレーナーを任命される。入社7年目でトップスタイリストに。8年目で店長に就任。18年目で独立、TOWAを立ち上げる。TOWA店内は植物のあるナチュラルで居心地のよい空間が特徴。お客さまの作品を展示販売するスペースもある。

 

(取材・文/揚石 圭子  撮影/泉山 美代子)

 

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