10代で家を飛び出した少女が、美容企業のCOOになるまで
指名数や売上で悩まなくて済んだ理由
アシスタント時代は落ちこぼれでしたが、スタイリストになってからは、指名が伸びなくて悩んだこともないし、売上で苦労したこともありません。でも、数字にこだわって頑張っていたわけじゃないし、お給料のためにやっていたのとも違います。「目の前のお客さまを喜ばせたい」というGive&Giveの精神でやってきました。
ただし、お客さまを喜ばせるのと、お客さまの言いなりになるのとでは、意味が全然違います。オーダー通りにするだけじゃなく、自分の提案を重ねることで、お客さまの期待を超えることが、本当の意味でのお客さまを喜ばせることにつながるのです。それができれば数字はついてきます。
お客さまに提案して、期待を超えていくのは簡単じゃないです。だけど、お客さまを説得できるだけの経験や技術があれば、どんどんやってみるべきだと思います。私は要領が悪くて、不器用だったから、「これだけやってダメなら無理でしょ」というところまで練習してきました。自分に自信がないなら、自信がつくまでやればいい。いずれお客さまを感動させられる美容師になれると思います。
美容師の仕事は大変って言われることもありますけど、こんな素敵な仕事はほかにないですよ。美容師がお客さまに提供できるものって自由じゃないですか。全て自分次第だし、既製品を売るのとは違いますよね。施術中は自分も楽しいし、髪型が完成したらお客さまが喜んでくれる。その喜びをもっと多くの人に味わってほしい。だから、今伸び悩みを感じている美容師さんには、まずは目の前のお客さまを喜ばせることを意識して、Giveすることからはじめてほしいです。
♦♦♦ 応援メッセージ♦♦♦
求めるより、まず先に与えることを意識して
私は10代のころから自立するために大人の世界に飛び込んで、成功している人の考え方などをみてきました。共通しているのは、「その仕事が好き」ということ。そして、「人に何かを与えることに喜びを感じている」ということです。見返りなんて期待せず、まずは自分から与える。与えるという行為自体、気持ちいいし、心が満たされるものなんです。ぜひ試してみてください。
- プロフィール
-
株式会社トシックスホールディングス http://toshix.jp/ange/ange/
取締役副社長、スタイリスト、スパニスト/登坂さおり
10代から自立し、新聞配達、飲食店勤務、アパレル、テレアポ、海の家、パチンコなどさまざまな仕事を経験。22歳で美容師になり、数年で指名売上ナンバーワンのスタイリストに。結婚を経てフリーランスへ。現在は株式会社トシックスホールディングス のCOOとして関連店舗をマネジメントしつつ、新感覚ヘッドスパ「整頭術」の普及にも務めている。
(取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
<関連コンテンツ>
- 1 2