誰にも似ていない美容師のつくりかた

 

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ショートバングと透明感のあるカラー、柔らかい質感のパーマにそばかすメイクなど、Nalu pu loa ohana(ナループロアオハナ)の安田幸恵(やすだ ゆきえ)さんの作品は、どれを見ても「安田さんらしさ」が伝わってきます。今回は、彼女がどのようにしてキャラクターの立っている美容師になったのか聞いてみました。自分には個性がないと思っている美容師さん必読です。

 


 

カットのときは一番先に前髪をパツッと切る

 

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普通の美容師さんの場合、前髪を切るタイミングは最後のほうだと思うんですが、私はほとんどの場合、前髪から切っています。もちろん、勇気がいることですし、信頼関係がないできないことです。だからこそ、初めてのお客さまには、とくに鮮烈な印象が残ると思うんですよね。私を指名してくださるお客さまには「前の美容室では前髪を短くしたいのに切ってもらえなかった」という方が多いんです。だから大胆にパツッと切っても、喜ばれるんですよ。

 

作品撮りでも、モデルさんが大人っぽい顔だったらそばかすメイクを施してみるなど、自分らしさが出るように寄せて作っています。もともとショートヘアが好きなので、作品もショートスタイルが多いですし、前髪も短いほうが好み。だから、どの作品もなにかしらの共通点を見つけられると思います。それを見たお客さまがお店に来てくださるので、髪型やファッションの好みも合うし、自然体で仕事ができるんですよ。

 

自分ではキャラづくりをしている気はないのですが、見た目もちょっと目立っているかもしれません。柄on柄の格好で出勤することもありますし、自分がカワイイなって思ったものを自由に選ぶことが多くて。好きな服を、モラルなく取り入れるという感じで、今の流行に乗った着こなしはしていないですね。

 

以前の職場では、ちょっと浮いた存在だったことも…

 

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自分らしさを少しずつ出せるようになったのは今のサロンに入ってから。それまでは紆余曲折ありました。

 

高校卒業し、石川県から上京してきたころは、資生堂が運営しているコスメティックハウスというところで美容部員をしていました。新しいメイクのレッスンなど、興味をもって取り組めることも多く、楽しい3年間だったのですが、一方で「本当にやりたいのはこれじゃないな」っていう気持ちもあったんです。

 

もともと私は、渡辺サブロオさんの作品などの影響で、ヘアメイクをしたいと思っていました。でも、高校時代は両親に理解されないこともあって、美容部員として働いていたんです。そんなわけで、同級生の3年遅れで美容専門学校に入り、資格を取ることになりました。

 

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その後、ヘアメイクもやっているヘアサロンに就職したのですが、すでに先輩のヘアメイクさんたちが活躍していて、私が入る隙がなかったんです。悶々とした気持ちでしたが、幸運にも素晴らしいカット技術を持った先輩に出会い、美容師の仕事そのものの魅力に気づくことがきたのはよかったですね。

 

今のサロンの前は、高級住宅地にあるサロンで働いていました。奥さま系のお客さまが多いところだったので、私はちょっと浮いていたんですよね。一度、MINXの鈴木三枝子さんが作るスタイルに憧れて、真っ白なブリーチにしたことがあるのですが、周りにはそういう人がいないし、私が「こういうスタイルやりたい」と言っても賛同者もいないし・・・。共感してくれる人がいないのは辛かったです。

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