「好き」を追求するほど、仕事も人生も楽しくなる。“自分らしさ”を貫く dakota/hazukiさんが大切にしていること。─天職 WOMAN─
好きなものを発信して、理想の集客を実現
スタイリストデビューは、3年目に入った頃です。ちょうど2020年だったので営業が停滞した時期もありましたが、体調もよくなって集客も順調で。Instagramを通して、ライフスタイルや好きなものに共感して「ヘアも頼みたい」と来店してくださるお客さまが増えたのを感じていました。私の内面を知っていただけたことでお客さまとの関係性も深くなった気がして、スタイルも提案しやすくなりましたね。なにかに特化して、スタイルチェンジしたくなったら別のサロンに、という形ではなく、お客さまとはできるだけ長くお付き合いしたいので、理想の集客の形だなと感じています。
私は、基本的に自分の髪でスタイルを作って発信していて、それを見たお客さまがそのスタイルを求めて来てくださる流れが多いですね。ここ数年はパーマスタイルを続けているので、お客さまもパーマを望まれる方が増えました。
スタイルのインスピレーションは、世の中のトレンドというよりシンプルに“今の私の気分”を重視していて、「自分が髪を短くしたい気分だから短めがおすすめ」とか、「明るくしたい気分だからこんなカラーがいいかも」というように、自分がやりたいと思うスタイルの中から、その人に似合うものを提案しています。
客層は私より上の世代の方も多くて、20代後半〜30代、40代の方も来店されます。パーマスタイルを発信しているからか、子育て中のママさんも多いんですよ。パーマをかけているとメンテナンスが楽ですし、忙しい日常の中でも扱いやすいんですよね。私のパーマのこだわりは作り込み過ぎないことなので、「この髪型なら私もできそう」と思ってくださっているのかもしれません。
自分の「好き」に正直になれば道は開ける
好きなものを深掘りできるようになったのは、音楽や古着にも精通しているオーナーの影響が大きくて。いろんなジャンルを教えてもらいましたし、おすすめの古着屋さんに連れていってもらうこともあります。dakotaに入ってから世界が広がりましたね。
2年前に一人暮らしを始めたのですが、それまでは一人でカフェも入れないタイプだったんです。でも今は一人時間の楽しさに気づいてしまって、休日は一人行動が増えました。古着屋を回ったりカフェに行ったりして、いい時間を過ごしています。料理も好きなので、友達を呼んでホームパーティをすることも。食事や友達と過ごす時間は、すごく大切にしていますね。最近は旅にもハマっていて、先月はフランス、デンマーク、スウェーデンに10日間、一人旅してきました。すごく楽しかったので、次もまたヨーロッパに行きたいなと思っています。たくさんの国を自分の目で見てみたいですね。
今後の目標としては、私はトータルバランスを考えて提案するのが好きなので、お客さまにヘアだけじゃなく自分がセレクトしたお洋服まで提案するなど、プラスアルファのサービスを提供できるようになること。将来古着の買い付けなどができたらいいなと思っていて、免許を取得したり、少しずつ動いてみているところです。自分の「好き」という気持ちを大事にして、これからも真摯に仕事と向き合っていきたいなと思っています。
ただ、美容師という仕事が大変なのは確か。私自身はサロンワークが好きなのでずっと続けていきたいですが、今はいろんな働き方ができますよね。無理してフルタイムで働く必要もないですし、どうしても辛いなら辞めるのも選択肢の一つ。でも、今続けている人はきっと、美容が好きって気持ちがあるからだと思うんです。なので、それぞれが自分に合う働き方や環境を探して、「好きだから美容師をしている」と胸を張れる自分でいてほしいなと思っています。
- プロフィール
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dakota
ディレクター
hazuki(ハズキ)
東京都出身。ベルエポック美容専門学校を卒業後、新卒でdakotaに入社。3年目にスタイリストデビュー。一人ひとりのライフスタイルに寄り添うナチュラルなパーマスタイルやレイヤーカット、透け感のあるカラーを得意とし、20代〜40代の女性から支持されている。おしゃれ感度の高いライフスタイル発信も人気の秘密。
Instagram:@hazuki_obara
(文/織田みゆき 撮影/Yui Ogano)
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