us 井手まゆ香さんが、ライフスタイルとヘアを組み合わせたSNSブランディングで得たものとは? ―天職WOMAN―
映画のスクリーンから飛び出し、リアルで見た海外のスタイルを日本で表現したい
スタイル作りについては、髪質や骨格に合わせた似合わせはもちろんですが、ほとんどのお客さまがInstagramを見て来店してくださるので、「インスタの写真と同じようになった!」と思っていただけるクオリティに仕上げることにもこだわっています。
今はどちらかというとタイトなシルエットのスタイルが好きですが、振り返ってみると、時間とともに打ち出しているスタイルは変化していると思います。例えば、20代半ばくらいまでは古着っぽいファッションやふわっとした空気を含んだスタイルの投稿も多く、今とはかなり雰囲気が違います。ずっと同じものばかりだとお客さまだけでなく自分も飽きてしまうんですよね。意識的にやっているわけではありませんが、年齢を重ねるにつれて変化する「こういう女性になりたいな」という理想の女性像をその都度打ち出しているように思います。
フリーランスになってからも、ライフスタイル全体をブランディングにすることは変わっていません。変わったことと言えば、自分の顔をよく出すようになりましたね。サロンに社員として所属しているときは、私自身の雰囲気やバックグラウンドもサロンの看板が拠り所になる部分が大きかったと思います。でも、フリーランスになるとそれらがなくなるので、私がどんな人間かわかってもらえるような発信を心がけるようになりました。
最近は映画を見る本数は減ってしまったのですが、その分海外旅行などを通して、映画で見ていたヘアやファッションがリアルではどう見えるのか、そのヘアスタイルを日本人の髪質で再現するとしたらどんな風にしたらいいのかを考えることが楽しいです。旅行そのものももちろん好きですが、そこで見たものを自分のスタイル作りに還元することにも重きを置いていますね。
私は今29歳ですが、同じ年代の女性美容師さんでもキャリアの分かれ道に立っているという方は多いと思います。フリーランスになるのも一つの選択肢ですが、向き不向きがあるようには感じますね。自分で目標を立てられる人にはとても向いている働き方だと思います。
美容師をやる上で私が一番大切にしているのは、何事も楽しんでやること。好きなことを見つけて、それを楽しんでやっていると周りにも同じ“好き”を持っている人が集まってくるので、より楽しく仕事を続けられるんじゃないかと思います。
- プロフィール
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us omotesando /スタイリスト
井手まゆ香
東京都出身。国際文化理容美容専門学校卒業後、表参道のサロンに新卒で入社。暖色のボブヘアや自らのライフスタイルを中心に発信するInstagramが支持を集め、人気スタイリストに。2023年にフリーランスに転身し、活躍を続ける。
Instagram:@mayuka_ide
(文/須川奈津江 撮影/泉山美代子)