us 井手まゆ香さんが、ライフスタイルとヘアを組み合わせたSNSブランディングで得たものとは? ―天職WOMAN―
Instagramの《ファッションに映えるHAIR》というbioが印象的な、井手まゆ香さん。新卒から8年勤務したサロンを昨年離れ、現在はフリーランスサロンusに所属されています。
井手さんのSNSと言えば、ライン感のある、ラフで飾らない空気と洗練されたトレンドが詰め込まれたヘアスタイル。そして映画や旅行、食事など自身が大切にしているライフスタイルを織り交ぜたおしゃれな投稿が目を惹きます。ご自身の趣味や生活と、美容師としての仕事を上手く織り交ぜた発信は同世代の女性から注目を集め、現在はほとんどのお客さまがSNS経由で来店されるそう。
井手さん自身、アシスタント時代からSNSでのブランディングを意識されていたそうですが、これまでにどんなストーリーがあったのでしょうか。詳しくお話を伺いました。
年間100本以上見る映画好き! 映画に関する投稿でフォロワー数がUP
新卒で入社した表参道のサロンは、サロンモデルをしていた友達から「すごく好きそうなサロンがあるよ」と教えてもらったんです。それをきっかけに入社しました。
デビューは4年目だったのですが、アシスタントの頃に怪我をしてしまい、トータルで1年ほどサロンワークができない時期があったんです。そのときに「美容師って体を壊してしまうとできないんだな」と痛感して、当時から美容師とは別に、他の仕事があってもいいのかなと考えるようになりました。
アシスタントの頃から、Instagramでの発信は私にとっては美容師としての大きな軸でしたね。先輩から「力を入れたほうがいいよ」とアドバイスを受けたこともありますし、自分でも「見てくれる人が増えたらいろいろな可能性が広がるかも」と思ったので、前社に入社してすぐの頃から本格的に始めました。入社1年目の頃はフォロワー数は300人ほど。そこからコツコツと発信を続けて、デビュー前には2万人まで増えました。
SNSに力を入れ始めたときから、美容師としてヘアスタイルを載せるだけでなく、ファションやカルチャー、食べたものなどライフスタイル全体を発信しようと決めていたのですが、私のアカウントをたくさんの人に見ていただけるきっかけになったのが、映画に関する投稿です。
当時は映画が大好きで、年間100本以上見ていたんですよ。そこで、「#映画のワンシーンのようなヘア」というハッシュタグを作って、見た映画から受けたインスピレーションを表現したり、映画の登場人物のようなヘアスタイルを投稿していました。映画が好きになったのは『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』という作品がきっかけです。主人公の女の子のポイントのある前髪がかわいくて、「映画からヘアスタイルを探すのもありかも」と考えました。私は特に洋画が好きで、ファッションやヘアスタイルがかわいい映画は内容がいまいちでも見るようにしていましたね(笑)。
嬉しかったのが、そのハッシュタグをきっかけに映画好きのお客さまがたくさん来店してくださったことです。映画好きの方は「映画のことをたくさん投稿しているアカウントだと思っていたら、美容師さんだった」と言って、お店に足を運んでくださる方も多かったです。一時期自分が食べたご飯のことをたくさん投稿していたこともあったのですが、そのときも「ご飯をたくさん投稿しているアカウントだと思っていたら、美容師さんだった」って、お客さまになってくださった方がいて。ヘアだけでなく、ライフスタイルをブランディングにしている強みと言えるかもしれませんね。
>フリーランスへの転身は、「今、大切にしたいこと」があったから