山好き美容師の田中さんが、息せき切って登ってきた道
「お客さまと一緒に成長の階段を登っていきたい」。そんなコンセプトで誕生した「rubono(ルボノ)」は、井の頭公園にほど近い場所に佇む、癒し系の美容室です。今回はその代表の田中佑季子(たなかゆきこ)さんに、独立までの道のりについて聞いてみました。
料理をするたびに貧しかった時代を思い出します
28歳のとき旅行で屋久島に行きました。そこで森の神秘の魅力にとりつかれてしまい、そこから山登りにハマっていったんです。好きな山は穂高。連休がとれたら、北アルプスや八ヶ岳に泊まりで出かけます。日帰りのときは、奥多摩や丹沢、ちょっと足を延ばして山梨に行くこともありますね。
店名の「rubono(ルボノ)」の由来は「登る」。お客さまと一緒に、成長の階段を登っていきたいという想いを込めた名前です。でも、昔からこんな風に好きな山と美容を絡めたお店で独立をしたいと夢見ていたわけではなく、一生懸命頑張っていたら縁に恵まれてこういうお店ができたという感じなんですよ。
そもそも私は、手に職をつけたいという理由で、「なんとなく」美容師になりました。最初に入ったサロンでは、忙しい毎日をどうやって乗り切るのかにただただ必死。起きてサロンに行って帰ってきて寝て、またサロンに行く…という感じでした。
家に帰ったら、月8000円以内、週2000円以内と決めた食費の中で、頭を悩ませながら献立を考えていまして。美容師になりたてのころは生きることに必死で、それ以外のことはほとんど何にも考えていませんでした。おかげで今も料理をすると、そのころの貧しさを思い出すから嫌なんです(笑)。
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