借金&広告費0円でサロンオープン! WOMオオモトさんが幸せすぎるスタートを切れた理由
遊園地のアトラクションのような時間をスタッフとともに創り上げたい
WOMのお客さまはカラーをされる方が多いのですが、カラーは薬剤の分量や、塗り方などに一定率があれば、分業できますよね。アシスタントを多く雇ったのはそういう考えもありました。
今、フリーランスや面貸しなどの働き方が増えているのは、マンツーマンの接客が求められているからだと思います。ですが、僕は僕をきっかけにWOMにきたとしても、僕から離れて、空間や他のスタッフと共有していく時間の中で楽しくヘアスタイルが作り上げられていくようにしたいんです。もちろん、僕がカットとデザインをします。ですが、カラーをするスタッフや、シャンプーをするスタッフがいることで、サロンでの時間を、アトラクションに乗っているように感じてもらいたいんです。
スタッフはすべてのお客さまを知っています。しかし逆に、お客さまにもスタッフのことをもっと知ってもらいたい。だから、スタッフは名前で呼ぶようにしています。僕のことや僕の作るヘアスタイルを好きでいてくれる人材が、やらされているのではなく、楽しく仕事をしているのが伝わってくるので、それもすごく幸せですね。
SNSを広告として活用! 気持ちに余裕があるから毎日幸せに働ける!
集客において広告費をかけていないことも負担が少ない理由の一つです。そのぶん、SNSを広告として活用しています。僕が今まであげていたものから傾向を考えて、レングスもショートからミディアムに絞っています。
僕は服が大好きですし、海外のラグジュアリーブランドも好き。ですが、ラグジュアリーブランドのような三角形のヒエラルキーの上位にくるブランドが好きな方を狙っても、一般的なお客さまにはついてきてもらえません。なので、インスタグラムではあえてファッションを入れず、肩上くらいのヘアスタイルを投稿しています。ファッションまでを入れてしまうと、ターゲットの幅が狭くなり、「これはストリートっぽいから無理かな」とお客さまへのハードルを上げてしまう気がするんです。あえてほとんどファッションが入らない写真を投稿することで、カジュアルが好きな子でも、コンサバが好きな子でも、ファッションに流されることなく、「この髪型をしてみたいからする」という人にも響くと思います。
また、広告費がないぶん、そのほかのことにお金を使う余裕ができるんです。例えば、WOMのロゴTシャツ。なにげなく着ているTシャツのデザインをかっこいいと思ってもらえれば、拡散されて宣伝になります。モノを売りたいというよりは、WOMのブランドロゴの価値を高めていくことが重要なんですよね。
借金の返済もないし、広告費もかからない。楽しく働いてくれるスタッフも揃っていて、お客さまにはお断りすることもあるくらいたくさんきていただいている。気持ちに余裕があるからこそ、毎日、幸せに働けているんだと思います。
- プロフィール
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WOM
オオモトシンイチロウ
1986年生まれ、埼玉県出身。国際理容美容専門学校渋谷校を卒業後「BRIDGE」に入社。2019年5月に下北沢に「WOM」をオープン。特殊な薬剤によるデザインカラーには定評がある。
(取材・文/池山章子 撮影/QJナビDAILY編集部)