高齢化社会で需要が大幅UP! 「福祉美容師」ってどんな仕事?
福祉美容師になるための講座ってどんなことが学べるの?
介助を必要としているお客さまが多いため、ベッド上での体位変換や車いすへの移乗方法、福祉道具の取り扱いなどの介助の基礎知識を学びます。さらに、接客マナーや寝たままの状態で行う洗髪・カットなどの施術方法まで、幅広い技術も習得できます。
福祉美容師になるには?
福祉美容師になるには、いくつかのパターンが考えられます。
・福祉美容などの出張美容業を専門とする企業に就職する。
・福祉美容サービスを取り入れている美容院やサロンに就職する。
・個人で福祉美容師として開業する
なるべく手間をかけずに始めるなら、出張美容の専門企業や出張サービスを取り入れている美容室への就職がオススメです。個人で開業する場合は、原則として事前に主な出張場所の所在地を管轄する保健所長(または店舗の所在地、店舗を持たない場合は居住地や使用する器具等の洗浄消毒及び保管を行なう場所でも可能)に開設の届出が必要になります。ただし、東京都内で施術する場合の届出は必要ありません。そのほかの地域は自治体によって条件が異なりますので、最寄りの保健所に確認してみてください。同時に、税務署への開業届の提出も忘れずに行ないましょう。
福祉美容で扱う施術メニューは?
基本的に、理美容室で行なっている施術と同様となり、カット&ブロー・シャンプー・トリートメント・パーマ・カラー・顔剃り・ヘッドスパなどが施されます。なかには、フェイスパックやネイルアートを行なう企業も。値段は、店舗や企業によりバラバラですが、一般的に来店での施術料金より低く設定されているところが多いようです。
福祉美容師のメリットは?
経営者側の目線で言えば、店舗に福祉美容サービスを取り入れることで、平日の日中のような来客の少ない時間帯に、効率的に売上を伸ばすことができる点は大きな魅力です。また、育児や介護などを並行しながら限られた時間で働くスタッフが活躍する場面が増える、美容師としてのキャリアアップが叶うという利点も考えられます。
もちろん、フリーランスで働く人にとっても新たな収入源となるはず。地域からの信頼向上や社会貢献においても、メリットは多いと言えます。
福祉美容師の今後の需要は?
厚労省の発表によると、65歳以上の高齢者の総人口は3,395万人(2015年時点)。2025年には3,657万人となり、なんと国民の約3人に1人が65歳以上になると予想されています。このように高齢化社会が加速するなかで、どんどん福祉美容師の需要も拡大しています。
身だしなみを整えたりオシャレを楽しんだりしたい気持ちは、誰もが持っているものですよね。今後、高齢者の増加に伴い、さらに福祉美容師が活躍する場面が増えることでしょう。美容室にくることができない方たちを、テクニックと真心で笑顔にする福祉美容師は、大きなやりがいのある仕事と言えるのではないでしょうか。
(取材・文/小林香織)
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