美容師2年目のギアチェンジ!本気になれば人は変わる -meuvle 田中祐仁郎さん U29次世代美容師-
入社2年目、オーナーに「やる気スイッチ」を押される
就職活動では気になるサロンをたくさん受けて有名店に入ることができました。厳しい環境で力をつけたいという考えで選んだサロンでしたが、僕はルールがたくさんあると息苦しくなってしまうんですよね。もっと自由な環境で働きたいと考えていたとき、自分の髪を切ってくれていたオーナーの森田が、BRIDGEから独立するにあたり、オープニングスタッフを募集しているということで声をかけてくれました。そうして、meuvleの一員になりました。
美容師になってからも僕は、学生時代と変わらず仕事と遊びがごっちゃになっているような状態でした。2年でデビューするのが目標でしたが、とても間に合いそうもなく…。2年目のある日、オーナーから「いつデビューするんだ? 遊びは否定しないけれど、やるときはやれ」と喝を入れられてしまいました。その一言がとても刺さって、考え方をあらためるきっかけになりました。
サロンワークだけではなく外部講習などもこなす有名な美容師さんは、必ずと言っていいほど、朝から夜遅くまで仕事に没頭していると聞きます。僕もまずは仕事と真剣に向き合って、一人前になろうと決意しました。そこでようやくギアが上がった感じです。きっと今活躍している美容師さんは、最初からギアが高かったんだろうなと思います。
スロースタートだった分、追い上げが大変に…!
最初の2年間、のんびり過ごしてしまったことに後悔はあります。遅れを取り戻すために、誰よりも早く出社して、サロンの戸締りをして帰るという日々が続きました。苦労したのはレディースの技術の習得。メンズはわりと早く習得していたのですが、ショート、ボブ、ミディアムをラストスパートで、集中して身につけました。
友人や知人にも随分と助けてもらいました。小学校、中学校時代から繋がっている友人もたくさんいるし、ピストバイクやスケートボードを通じて仲良くなった人もいるし…そこから紹介が紹介をよんで、お客さまとして僕の元にきてくれました。人と人とのつながりが無限に広がっていく様子を感じています。そうやって考えると、学生時代のアルバイトの経験や、遊びの経験も無駄ではなかったと思います。
ただ正直に話すと、僕は今、伸び悩んでいる状態です。美容師になったばかりのころはスタイリストになることが目標になりがちだと思います。でも、実際にスタイリストになってみると、それだけではとても満足できないです。売上をつくっていくために、時間を作って積極的に作品撮りをしてSNSをこまめに更新し、集客につなげていきたいと思います。
「リアルのつながり」と「遊び」を大切にしていきたい
SNSに作品をアップすることと同じくらい、美容師自身が魅力的であるかどうかが、集客に大きな影響を与えると考えています。やっぱり、お客さまはオシャレな美容師に切ってほしいと思っているはず。だから、おしゃれだなと感じた美容師さんのファッションを参考にしたりしています。
SNSでの集客と並行して、これまで通り、リアルのつながりも大切にしていきたいと思っています。たとえば、男性のお客さまが、自分の彼女を連れてきてくださって、この秋の結婚式に呼んでくださるとか、うれしいことも増えてきました。
僕は美容師として未熟ですが、お客さまとの関係性の深さには自信があります。昔よく通っていた歯医者さんに、「なんでもこんなに忙しいときにくるんだよ!」と言われたことがあるんですが、そのくらいのことを笑顔で言える距離感が、理想的だと思うんですよね。お客さまとそういう関係性を築いていきたいです。
あと、僕は美容学生がサロンにきたときによく伝えるのですが、美容師になるからといって遊びはあきらめなくてもいいと思っています。誰かにやる気スイッチを押されなくてもいい程度に、仕事も遊びもメリハリをつけて楽しめばいいんです。
- プロフィール
-
meuvle
Stylist/田中 祐仁郎(たなか ゆうじろう)
東京都出身。日本美容専門学校卒業。都内有名店に勤務後、meuvleのオープンニングから参加。入社3年目でスタイリストデビューを果たす。メンズヘア、ボブ、カラーを得意とする。趣味はピストバイク、スケートボード。人当たりがよく、交友関係も広く、多くの顧客に慕われている。
(取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
- 1 2