輝く美容師の裏側にフォーカス あの人の「裏ガオ」 #8 SIX / 久保雄司さん
本格的にメイクを始めたのは4年前! 「うぶバング」で一躍有名に
33歳のときに、働いていたサロンがリブランディングすることになり、それを機に退職を決めて、飲み仲間だった坂狩トモタカくんが新しく始めるというAnZieに移りました。
それが2015年3月のことだったのですが、ちょうどそのころにヴィセのリップアンドチーククリームが新発売して衝撃を受けたんです。「リップにもチークにも使えるなんて! かわいくなれるなら道具は自由に使っていいってことか! 指一本でできるんだ」と思いました。「女性をかわいくする」というのは、カメラに凝り始めたときから僕の本領だったので、そこから第2のゾーンに入った感じです。女性をもっと魅力的にするために、本格的にメイクもやっていこうと思ったんです。それも、自分がかわいいと思ったものを作りたいという思いがあったので、メイク雑誌を読んだり理論を勉強したりすることは極力避けました。コスメに関しても、デパートコスメではなく、ドラッグストアで入手できるものが中心。デパートの化粧品売場に行くのがちょっと恥ずかしかったっていうのもあるんですけど(笑)。
そこからはもう怒涛でしたね。
AnZieに入ったのが3月で、「うぶバング」がバズって久保雄司という人間を業界内外の人に知ってもらえるようになったのが4月。その流れで美容雑誌『VOCE』で僕のメイクを特集してもらうことになったのが10月。クボメイクという言葉が生まれたのもそのころです。雑誌の特集を組んでもらったときに、編集さんやライターさんと「いつか本を作りたいね」と話していたのですが、翌年の6月にはそれが実現しました。1年ですごく変化のあったときですね。
うぶバングやクボメイクが受け入れられたのは、単純にキャッチーだったからだと思います。雑誌の編集者のかたは常に新しいものを探していますし、新鮮な匂いがしたんでしょうね。そのあとも、キャッチーなネーミングを求められる場面は続きましたが、あれはその当時のムーブメントにちょうど自分の波長が合ったから爆発的に広まったことだと思っていて、常に地に足をつけて活動しているつもりです。それは自分のお店を持った今でも同じなんです。
>「遅咲きの美容師だけど、頭に思い描いていたことは必ず叶う」