輝く美容師の裏側にフォーカス あの人の「裏ガオ」 #7 siika NIKAIサトーマリさん
美容師は、技術のみならず人柄やカリスマ性など、総合的なスキルが求められる職業です。今人気の美容師さんも自らの短所やハンディキャップを乗り越えてきたからこそ、今のポジションで輝いています。
第7回は、出産を期に原宿のヘアサロンから独立し、学芸大学にsiikaをオープンしたサトーマリさんの登場です。原宿のトレンドサロンで読者モデルブームを牽引し、女性誌や業界誌でも引っ張りだこのサトーマリさん。2016年にはsiika、2019年にはsiika NIKAIをオープンしたサトーさんの裏ガオをお伝えします。
持ち前の“しつこさ”で憧れサロンに就職するも、2年目で退職することに
原宿での美容師経験を経て出産と同時に独立というと、なんだか順風満帆のキラキラ美容師だと想像するかたもいるかもしれませんが、私の場合はマジでつまずきだらけの美容師人生です。
まず、いちばんはじめに勤めた原宿の美容室は新卒で就職したのですが、一名しか採用されない新卒採用に一度落ちているんです。二名が残る最終選考にまでいったのですが、結果は不採用。どうしても働きたかったので、あきらめきれなかった私はお店に電話して「あきらめられないんです」と伝えました。そうしたら、たまたま採用された方の女性に事情があって働けなくなってしまったということで、改めて面接を受けて入社することになりました。
せっかく巡ってきたチャンスなので、がんばろうと思っていたものの、まだまだ若かったので常識もないですし、社会人としてどう振る舞っていいかわからないんですよ。それで結構たくさん怒られたのですが、若者が抱きがちな被害妄想も相まって辛かったですね。今思うと一番辛い時期だったのですが、とにかく負けたくない、辛くて辞めるというのだけは嫌だという気持ちだけはありました。
でも、その後、先輩スタイリストとの人間関係が原因で2年目に退職してしまうんです(苦笑)。それから1年はフリーターをしながら違う道を探そうと模索していたのですが、やはり美容師しかないと思って別のサロンに就職しました。
ただ、最初に勤めたサロンの店長との交流は続いていて、定期的に会ってはいたんです。他のサロンに勤めていた悩みを相談したところ、そこで退職の原因となった先輩スタイリストが退職したこということで、「戻ってくれば?」と声をかけていただきました。
最初のお店に戻ってからは、一度辞めているというのもあるからがんばれましたね。その分期待されているのはわかっていましたし、4年先輩の売れっ子スタイリストに「負けたくない!」と、闘志を燃やしていたので切磋琢磨できたんだと思います。
2年でスタイリストデビューし、時代は読者モデルブーム。働いていたサロンも、有名読者モデルが通っているお店ということもあり、新規集客がどんどん増えている時期でした。