輝く美容師の裏側にフォーカス あの人の「裏ガオ」 #6 DADA CuBiC永江浩之さん
美容師は、技術のみならず人柄やカリスマ性など、総合的なスキルが求められる職業です。今人気の美容師さんも自らの短所やハンディキャップを乗り越えてきたからこそ、今のポジションで輝いています。
第6回は、ハイセンスなスタイルと確かな技術力に定評のあるDADACuBiCのトップスタイリスト永江浩之(ながえ ひろゆき)さんの登場です。美容学生時代、そしてアシスタント時代からサロンモデルとして雑誌や業界誌などのメディアでも注目を集めてきた永江さんの知られざる裏ガオをお伝えします。
学生時代は、自分の意見を口にしない「事なかれ主義」な性格だった
物心ついてからDADACuBiCに入社するまでの僕の性格は争いごとやケンカを好まず平和を大切にする「事なかれ主義」。美容学校に入学したあとも、自分の意見は口に出さず、ただ微笑んで過ごすような学生でしたね。今思うと、「こうした方がいいんじゃないか」と意見を言わずにやり過ごすのは、何事にも本気ではなく逃げているということだともいえます。
昔の僕は、一度熱中するとすぐに夢中になる性格ではあるのですが、ある程度まで続けると、飽きてしまってたんですよ。実際、小さいころは将棋や野球をやっていて、はじめた当初は夢中になって一直線に突き進むのですが、ある程度まで上達すると、なんだかつまらなくなってしまって、そこで終わっちゃうんです。ピアノやベースなどの楽器も同様でしたね。
そんな中で一番熱中したのが“染色”でした。美容学生のときは、服は好きだけどお金はないという状態だったので、古着を自分で染めたり、染織家の工房にも足を運んだりして、染色家になろうか美容師になろうかくらいまでは考えた時期があったんです。
でも、どこかで「本気でやっている人には叶わない」っていう気持ちもあるというか、ある程度のレベルに達すると、本当に突き詰めている人の凄さを感じることがあるじゃないですか。
いざそれに対峙してみると、自分にはできないだろうなと、ハードルを感じちゃうんですよね。自分の中で勝手に折り合いをつけて、強い者には戦いさえ挑まない、みたいな感じです。
自分が何かと戦ってまで主役になろうっていうのがない、そういう性格で生きてきました。社会人になってからは、その性格で苦労することになるんですが…。
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