感謝の気持ちを連鎖させていく

今では、周りの方が自分を育ててくれた恩を返していきたいという気持ちも芽生えるようになりました。例えば、もうすぐ産休が明けるスタッフがいるのですが、そのスタッフが休んでいる間に新しいカラー剤が入ったんですよ。もし自分が彼女の立場だったら、知らないカラー剤を見て「どうやって使うんだろう」と思いますし、休んでいる間のことを知らないのは嫌だなって思ったんです。だから、聞かれたわけではないけど、先に「こういう風にやっているんですよ」って言っておこうかなって。

相手が必要な情報かどうかはわからないけど、自分が同じ立場だったら必要な情報かなと思うし、戻ってきたときにちょっとでも違和感がないようにしたいんです。

服を選ぶのは周りの人！　自分のファッションやスタイルにこだわりはない

インスタを見てくださってる方からは「おしゃれですね」とコメントをいただくことが多いのですが、実は私自身はあまり自分のファッションやスタイルにこだわりがないんです。こういう尖ったスタイルだとすごくこだわりがあるんじゃないかとかプライドが高いんじゃないかと思われることもあるのですが、そんなことはないんです。

例えば、服を先輩にもらうことも多いし、迷ったときはおしゃれな人に聞いて選んでもらうことが多い。技術と同様に、「人が似合うと言ってくれるならこれにしよう」と、アドバイスを素直に受け入れます。

好きなものやこだわりがある美容師さんはそのこだわりの中で成長していけるけど、私の場合はそれがないので、いろいろなことを幅広くできる一方、少し足りないところなのかな、とも思います。「好きなことやこだわりがあまりない」と悩んでいる若手の美容師さんやアシスタントさんは、「髪型こっちのほうが似合う」とか「この服似合いそう」など周りに聞いてみると、自分では気づかなかった魅力や個性を発見できて、仕事にも活かせるかもしれませんね。

プロフィール

THE REMMY スタイリスト
倉田聡子（くらた さとこ）

東京都出身。国際文化理容美容専門学校卒業。卒業後は、表参道・吉祥寺・三軒茶屋に店舗をもつ美容室に就職し、三軒茶屋店に配属。27歳でTHE REMMYに転職。ショートカットを得意とする。ファッションや食、旅などを紹介するインスタグラムが人気。
https://www.instagram.com/sat0k0_k

（取材・文／須川奈津江　　撮影／菊池 麻美）

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