輝く美容師の裏側にフォーカス あの人の「裏ガオ」−第三回Ways TOKYO代表 木村一平さん

超有名サロンに入社してから味わった二つの挫折

 

 

卒業後は海外に行くつもりでいたので、就職活動はしていなかったのですが、友達の付き添いで訪れた例の超有名ヘアサロンの代表から声をかけていただいて、そのサロンに就職することになりました。

 

表参道の店で働いて、僕は関西を背負って東京にきているくらいの自負があったのですが、美容師を志してからそこで初めて挫折を経験することになるんですよ。

一つは自分より技術のカリキュラムの進みが早い同期がいたということ。さらに大きなもう一つの挫折は、人の気持ちを推し量ったり察したりするというコミュニケーションが苦手なんだと気付かされたことです。

 

技術の面では美容学生時代に心を入れ替えて人一倍練習してきたと思うので「やればなんでもできる」という自信がありましたし、僕はものづくりが好きな職人気質というか、物言わぬ対象を黙々と作り上げるのが好きだったんですよ。

 

でも、美容師って対人(たいひと)じゃないですか。お客さまに対してもそうですし、先輩スタイリストに対しても同じです。「この人は今どうしてほしいんだろう」ということを察したり質問したり、そういったコミュニケーションを上手に取れなければ、いくら技術があってもうまくいきません。

 

「やれば評価してくれるはず」と過信する気持ちが、美容師として成長する上で同期と差が出たりコミュニケーションの部分でつまづいたんだと思います。

 

 

このままではいけないと、スタッフやお客さんが周りに集まってくる先輩をよく見て、技術だけじゃなく、その人のすごいところを取り入れてみよう、変われるように努力しようと思ったんです。その結果、相手と心地のいい関係性を気づけるようになりましたし、柔軟性を養うことができました。

今は、Ways TOKYOの代表としてスタッフとの円滑なリレーションが取れていますし、とても雰囲気のいい環境を作れています。

 

「自分と向き合って、チャレンジすれば必ずカタチになる」という思いは今でもあって、それが成功するかはわかりませんが、”成長に繋がる事”は今までの人生で確信しています。

なので常に、『成功』よりも『成長』にフォーカスするように気を付けています。幸いなことに、今のお店の創業メンバーは全員僕にないものを持っているし、僕に足りない部分を各々が補強してくれる特別なメンバーですね。

 

<美容学生さん・若手美容師さんへのメッセージ>

 

周りと自分を比べてしまい、行き詰まりを感じている人はたくさんいると思います。特に今は情報が溢れていて「あの人はこうなのに、自分は…」と思ってしまう機会が多いと思うんです。そんなときこそ、自分の強みや良さがなんなのかに向き合ってほしいです。これがなかなかできそうでできない。成長するタイミングっていうのは、自分と向き合うことができるかできないかにかかっていると思います。頑張ってくださいね!

 

 

プロフィール
Ways TOKYO代表
木村一平(きむら いっぺい)

大阪府高槻市出身。関西美容専門学校卒業。ニューヨーク州美容師ライセンス取得者。東京・表参道の有名店を経て、同年代の仲間とWays TOKYOを立ち上げる。InstagramとYouTubeで多くのファンを抱えており、ファッションモデルやメディア関係者にも慕われている。

 

(取材・文/須川奈津江  撮影/菊池 麻美)

 

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