オーナーになると“人間味”が増す!? 一匹狼だった3人が独立して変わったこと−LECO内田聡一郎の仕事論【後編】
サロン立ち上げのときに大変だったことは?
―みなさんサロン立ち上げの際、大変だったことってありますか?
関山:キャッシュフローと物件探しが大変でしたね。
キャッシュフローについては、最初の2ヶ月が赤字で、幹部スタッフに「このままやっていって大丈夫ですか…?」と言われたほど。
僕は結果出せるからと言っていましたが、ちょっと焦りましたね。3ヶ月目でトントンになって、そこからはなんとか。そこでトップが全部背負い込まなくてはいけない辛さを感じました。
物件は最初中野に決まりかけていて、倉庫のような広い空間だったんですよ。だからSOCOってサロン名にしたのに(笑)。
内田・野々口:へー!
関山:だけど、契約直前の土壇場で弾かれてしまったんですね。多分水道工事がネックだったんだと思うんですが。せっかく緻密に作った国庫に出す事業計画表も、物件が頓挫してしまったので、担当者に「じゃあ物件決まったら、また提出してください」って言われて、あのときはだいぶ凹みましたね。そのあと代官山でようやくお店が決まってホッとしました。
内田:野々口さんって困ったことないの?
野々口:うーん、それがないんですよ。前のお店のゴタゴタの方が大変だったかも(笑)。
内田:野々口さんって旦那さんと共同経営の形を取っているでしょ? それって大変じゃないの? 美容師※じゃないのに口出されてムカつくとか。
※野々口さんの旦那さまはファッションスタイリスト。
野々口:それもないんです。美容師の観点では見つけられない発想で提案してくれるんです。彼が客観的に話してくれるのも、すごく心強くて。
関山:内田さんはどうですか?
内田:僕ですよね。僕もすごく順調なんです。
石橋を叩いて渡るタイプなので、準備万端にして望んだおかげで、経営含めてすごくうまくいっています。うまくいきすぎちゃったかもしれないと思うほど。
ただ、やっぱり僕が器用にやれることがお店の弱点かもしれないと感じています。LECOと言えば、内田。じゃなくて、他のスタッフにもフォーカスされるようにしないと。それがこれからの課題ですね。
―では最後にオーナーを志す読者へメッセージをもらえますか?
野々口:まずはシンプルに行動すること。動いているとエネルギーが湧いてくるので、それが結果として、形になると思います。出した勢いってすごく大事です。あまり構えすぎないように!
関山:自分に能力があると感じるなら、覚悟を持ってやってみたらいいと思います。それまでの人生が大きく変わっちゃう可能性がありますが、やってみた方がいいと思います。
内田:自分に素直に、人に素直にが大事ですね。そこさえブレなければ大丈夫だと思います。
- プロフィール
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LECO
代表/内田聡一郎(うちだ そういちろう)
2018年3月1日に自身が代表となるヘアサロン「LECO」をグランドオープン。セミナーやヘアショー、専門誌などで見ない日はないほど勢力的に活動。そのセンスの良さから一般のお客さまのみなず、芸能・ファッション・音楽業界からの信頼が高い。
- プロフィール
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SOCO
代表/関山 善博(せきやまよしひろ)
都内サロン6店舗や面貸し美容師を経て、2015年9月「SOCO」をオープン。以降2017年12月に「AO」、2018年10月「SUN」を出店。出店スピードと、出店の様子を綴ったブログも美容師の間で話題に。現在はスタイリストのみならず、店舗のグラフィックディレクションも手がける。
- プロフィール
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SYAN
代表/野々口祐子(ののぐちゆうこ)
都内人気サロン2店舗を経て2013年4月に「SYAN」を設立。エッジが効いているのに女性らしいヘアスタイルは20代〜30代の女性の指示を集める。ヘアメイクも行い、ファッション誌やカタログ撮影にも参加。自身もスタイルアイコンとして、多数の媒体に出演。
(取材・文/高橋 優璃 撮影/渡辺きるけ)