「28歳になったら一緒に独立しよう」同級生との約束を叶えられたわけ -navile表参道 大河光太朗さん around30 crossroads-
同級生と独立する約束を夢物語にしたくないから期限を決めた
navileは3人それぞれ得意分野を持ち寄ってサロンづくりをしています。自分は撮影やセミナーなどクリエイティブの部分を担当したいと思いapishで学びました。経営者として活躍したいと考えていた小林綾太は、いくつもの店舗を渡り歩き、経営を学んでいます。内藤允意も、集客が得意な低単価サロンでノウハウを学ぶなど、オーソドックスなサロンワーク以外も経験してきました。
サロンをオープンさせたのは3年前。最初の8カ月くらいはサロンを出したこと自体を楽しんでしまい、マーケティングの部分がやや疎かになっていたと思います。やっぱり、スタッフ全員を幸せにするために人気のあるサロンにしなくてはならないし、「売れていないオシャレは、オシャレじゃない」と痛感したんですよね。なので、集客を目的として、Instagramを使って自分の得意なパーマや顔まわりのデザインを打ち出すことに。それなりにお客さまもきてくださっていました。
さらに集客力を高めるためには、もう一捻り必要ということで、お客さまの目線に立って考えました。カラーは流行っているけれど、できるだけブリーチをしたくないというお客さまも多いはず。そこでブリーチなしでできるグレージュを打ち出したんです。そうしたら、お客さまがグッと増えて、来店時にパーマも提案するなど、自分の得意なパターンに持ち込むことができるように。差別化を図ることでお客さまとの関係を強めることができましたし、今ではカラーも自分の武器だと思えるようになりました。
同級生との独立はアリ!ただし、お互いにリスペクトがある場合に限る
サロンが軌道に乗り、2020年2月に新店舗を表参道にオープン。僕がその代表に就任しました。apish時代からのお客さまが、場所を変えても引き続き通ってくれましたし、オープン当初は売上も好調。ところが4月の緊急事態宣言で休業せざるを得なくなり、それ以降は予約が入ったときだけ出勤するというフレックス制で営業していました。
おかげさまで自粛明けは売上も戻っています。今年に関しては足場を固めて、来年に向けて新卒採用にもチャレンジしようかと考えているところです。店舗展開は無理のないペースで続けていきたいと思っています。やはり今いるスタッフの次のステップ先をつくってあげたいので。みんながやりたいことをサポートできるサロンにしたいですね。
僕たちはベルエポックの仲間と一緒にnavileを立ち上げました。なので学校のセミナーで自分たちのことを話すこともあります。学生時代の仲間とサロンをつくるのは、正直、難しいです。でも、難しさを乗り越えることができれば、めちゃくちゃ楽しくなります。本気で意見を言い合えますし、新しいアイディアをカタチにするスピードも速い。でも、そこで大切になるのは、お互いを心からリスペクトできているかということです。
お互いをリスペクトしていれば、意見が一致しないことがあったとしても、喧嘩にはなりません。お互いの価値観を尊重しているし、最終的に向かっている方向は同じだからです。衝突を恐れて腹を割って話せないような関係性では、共同経営は難しいと思います。ですから、もし同級生と一緒にサロンを立ち上げたいと思うなら、リスペクトしあえる仲間とチャレンジしてほしいですね。
- プロフィール
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navile表参道
代表/大河 光太朗
広島県出身。ベルエポック美容専門学校卒業。代表や本店店長などトッププレイヤーたちのメインアシスタントを担当。アシスタント時代から美容学校の特別講師などサロンワーク以外でも活躍するほか、多くのメディアからの取材を受ける。2016年4月、原宿でスタイリストデビュー。2018年4月に小林綾太氏、内藤允意氏と共同でnavileオープンさせる。2020年2月には2店舗目となるnavile表参道を出店し代表に就任。現在に至る。
(文/外山 武史 撮影/菊池麻美)