努力の仕方を工夫したから、ハンサムショートで突き抜けられた -iki /代表TENDOさん U29次世代美容師-
ウィッグを切るときも徹底的にイメージを膨らませて、必ずかわいくする
「努力の仕方を工夫したほうがいい」と有名美容師のみなさんに教えていただいたことも、僕の転換点になりました。Belezaの先輩をはじめ、SHACHUやACQUAで活躍しているみなさんにもヒントをもらい「マーケティング」を勉強したんです。カスタマージャーニー(お客さまの動き)とか、ペルソナ(お客さま像)とかまったくわからず、「マーケティング」をググるところからのスタートでした。
ウィッグを切るときも、ペルソナをつくって徹底的にイメージを膨らませました。名前と年齢、住んでいる場所やファッション、「ししゃもは頭から食べるタイプ」とか、細かいところまで考えて、めっちゃかわいくしたいと心を込めて切っていたんです。写真を撮る角度や画角にも徹底的にこだわっていました。夜中の4時まで仕事して、3時間だけ寝てサロンに行くっていう生活でしたね。
モデルさんをたくさん切っていたころは、毎朝2人切って、営業後にまた2人切るというペース。「振り返りシート」をつくって、一つひとつの仕事を必ず振り返り、先輩にも意見をもらうようにしていました。その積み重ねが、結果につながっているのだと思います。
70%の自信と30%の不安を胸に、突き進んでいきたい
いつしか、SNSで僕のことを知ってくださる人が増え、いろいろなサロンのかたが「一緒にやらないか」と誘ってくれるようになりました。とても嬉しかったですね。新しい環境でチャレンジしたいという想いもあり、迷っていたのですが*L.O.G by U-REALMの斎藤さんが、新店の代表として迎えてくれるということで、一緒にやらせてもらうことに。それが2018年の3月。その半年後の9月にikiをオープンしました。
Ikiという名前の由来は、日本語の「粋」です。品があって色気のある粋な女性が好きで、そういう女性像を打ち出していきたかったんですよね。スタッフの個性を尊重しているので、サロンの色は出しすぎないけれど、ダサいものは絶対につくらないと決めています。メンバーは大体同年代。スタッフのみんなの身近な存在でありたい思う反面、いつもダントツに突き抜けた「追い越せない存在」でありたいですね。次の目標は銀座への出店。しっかりと足場を固めて、絶対にやり遂げたいと思っています。
おかげさまで、4、5年前の自分からは、想像できないような今の自分がいます。サロンの代表まで任せてもらっていることに対して、「やればできるじゃん」と思う自分と、「たまたまでしょ」と思う自分がいます。多分、この「たまたまでしょ」っていう気持ちを忘れたら、そこで成長は止まってしまう気がするんですよね。だからこれからも、70%の自信と、30%の不安を心の中に持ち続けていきたいです。
プロフィール
iki
代表/ TENDO
大阪府出身。大阪美容専門学校卒業後、大阪のヘアサロンでアシスタント経験を積んだのち上京。BELEZAにて圧倒的な努力の末、スタイリストデビュー。ショートカットに注力し「天道ショート」「ハンサムショート」を打ち出す。2018年3月に*L.O.G by U-REALMに移籍。半年の準備期間を経て、表参道に「iki」を立ち上げる。新規の入客毎月200名以上。業界でも異例の85%以上のリピーター率を誇るサロンへ。現在、銀座に新店舗を計画中。
(取材/外山 武史・撮影/菊池 麻美)