オンもオフも一切妥協せず! それが次世代美容師の流儀 -LIPPS イタルさんU29次世代美容師-
自分の作品が評価されても素直に喜べなかった
スタイリスト、ハイスタイリスト、ディレクター、店長とステップアップしてこられたのは、情報発信を継続してきたからだと思っています。やはり発信し続けないとフォロワーさんも増えていきません。僕がやっていたのはそのくらいで、特別なことは特にしていないんですよ。
もちろん、なんとなく続けてきたわけではありません。たとえば、作品をつくるときは自分がカッコイイと思っているものを、時代の空気に合わせていく。ホットペッパーのランキングなどを見れば、どんなスタイルが支持されるかわかりますよね。そして、自分の作品に対するリアクションをきちんと受け止めて、それをデータ化していくんです。
僕の場合、ガッとフォロワーさんが増えたきっかけはなくて、本当に徐々に増えてくれたという感覚。情報の質と頻度を高めることをつねに意識してやった結果だと思います。
一方で、僕がアップした作品が評価されても、手放しで喜ぶことはできないと思っていました。というのも、作品そのものではなく、僕に投票してくれている人も少なからずいる気がしていたからです。すごく光栄なことなのだけれど、「僕のことを知らない人が、作品を見たらどう思うだろうか」ということを感じていました。次世代美容師コンテストに参加したのは、そんな気持ちがあったからです。
「LIPPSはカッコよくなれる場所」と世の中に知らしめたい
次世代美容師コンテストでは、ファイナリストの6名は最後に会場の人の投票によってグランプリを決めます。会場には一般の人がばかりで僕のことを知っている人はほとんどいません。だからこそ、ここで勝てば自信になるし、後輩にもいい影響を与えられると思ったんです。短時間でメンズとレディースのスタイルをつくるハードなコンテストでしたが、そこでグランプリを獲得することができました。
もちろん、これくらいで満足するつもりはありません。次に目指すのは、LIPPSというサロンを、自分たちの力でより魅力的にしていくこと。コカ・コーラと言えば、コーラが思い浮かぶし、カルビーと言えばポテトチップスが思い浮かびますよね。それと同じように、LIPPSと言えば「カッコよくなれる/かわいくなれる場所」と思われるようにしていきたいんです。大阪・梅田にも新しくLIPPSができましたし、もっと広くLIPPSの価値を提供できたらと思います。
最後に、これを読んでくださっている「これから美容師として結果を出していきたい」という人には、まず自己分析から始めることをおすすめしたいです。人に評価されたこと、ダメ出しされたことなどを思い出してみてください。そして、マイナスポイントは減らすように努力する。やみくもに努力するよりも、メリハリを大切にしながら、いいところを伸ばし、悪いところを改善するという考え方が成長につながると思います。
- プロフィール
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LIPPS表参道
店長/イタル
北海道出身。中日美容専門学校卒業後、上京しLIPPS入社。早期スタイリストデビューを成し遂げ、頭角を現す。2018年3月よりLIPPS表参道の店長に抜擢される。2018年の次世代美容師コンテストグランプリ、HOTPEPPER beauty AWARD全国2位などの実績を誇る。
(取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)