“品格と抜け感のあるスタイル”で人気! 涙に暮れたバレエ少女は今、美容の世界で舞う -runo月田由未U29次世代美容師-
次世代美容師として注目される「U29美容師」のサクセスストーリーから、成長のヒントを「美容師のタマゴ」へお届けする企画「U29次世代美容師」。
第33回目は、「品格と抜け感のあるスタイル」でファッション感のある作品をInstagramで紹介しているrunoの月田由未(ツキダユウミ)さん。今回は、スタイリストとして活躍するのはもちろん、店長・ディレクターとしてサロンづくりや後輩育成にも励んでいる月田さんのこれまでの軌跡を追いました。
どんなに努力してもプロにはなれない…カンヌで味わった挫折感
7歳から高校2年生まで、週6日のペースでバレエスタジオに通い、レッスンを受けていました。プロを目指していましたが、春休みにカンヌでバレエ留学したときに挫折を味わったのです。欧米人と日本人では骨格が違うため、可動域も異なります。私の場合は特に股関節の可動域に違いを感じました。骨格の問題なので、可動域を広げるために、どれだけストレッチをして、レッスンを重ねたとしても、限界があります。
生まれつきだから仕方がないことですが、微細な表現を求められるバレエの世界では致命的です。カンヌで表現力の違いを見せつけられ、「もうプロにはなれない」と目標を見失ってしまいました。それから毎日のように泣いていましたね。挫折を味わいましたが、足の皮がむけて痛い想いをしながらバレエに打ち込んだ日々は、今の私の原点です。
バレエ以外は、ほとんど何もしてこなかった私でしたが、髪の毛をいじるのは好きでした。舞台にあがるときは、自分で髪をアップスタイルにしたり、メイクをしたりしていたし、なにより興味を持っていました。唯一、バレエ以外で自分の可能性を試すことができる仕事だと考えて、美容師を目指すことにしたのです。
中途半端な美容師になりたくない! 岡山から覚悟の上京
バレエで挫折を経験したこともあり、美容師をやるなら中途半端にやりたくありませんでした。東京で一番の美容師を目指して、岡山から上京し、日本美容専門学校に通うことに。美容学生時代は、自主的にレッスンをしていましたし、美容の技術にも興味があったので、わりと優秀だったと思います。ワインディングのコンテストでは学校で2位を取ったことも。岡山にいる家族を安心させるためには、いい成績をとることが一番だと思っていたのです。
恩師と思える先生に出会うこともできました。まるでお母さんのような愛情あふれる先生。とてもかわいがってもらい、卒業してからも私のことを気にかけてくれています。
専門学校卒業後はSHIMAに入りました。採用スタートが早いので、ダメ元で受けてみたら採用してもらえたんですよ。入社して間もないタイミングで、私は当時の全店ディレクターの専属アシスタントになりました。右も左もわからない状態の私が、一番仕事に厳しい師匠のもとで働くわけですから、大変なことが数え切れないくらいありました。