「ブレない男」にチャンスが集まる!? 目立ちたがり屋が挑む有名美容師への道 -SHACHU KOUSEIさん U29次世代美容師-
普通にモデハンをしたら、キャッチと間違えられる…!
もちろん上京直後はお客さまゼロ。まずはInstagramの作品を充実させようと思い、モデルハントをしました。ただ、最初は全然うまくいかなかった。見た目がキャッチっぽいから、冷たく無視されることがほとんど。それで考えたんです。「普通に声をかけてもまず無理。とにかくInstagramを見てもらい、すぐに美容師です!と名乗るようにしよう」と。こうすればキャッチじゃないとわかってもらえるし、タダでカラーができるというメリットも伝わるので、成功率があがりました。
さらにモデルハントを楽しむために、「普通なら目で追うことしかできないかわいい子に、無条件で話しかける権利を持っている」と思い込むようにしました。昔から、人がしんどいと思うことをプラスにもっていくのは得意。面白くないことは、自分で面白くすればいいと思っているので。
Instagramの充実度と比例して、お客さまも増えてきました。カットの技術はパッと見ただけではわからないけれど、カラーならすぐにわかりやすいですよね。カラー推しのスタイルが中心なので、お客さまもサロンにきてどんな感じになれるのか直感的に理解しやすいのだと思います。
「ブレない男」にチャンスが回ってくる
有名になりたいと思って上京し、雑誌やWEBメディアに出る機会も増えてきました。でも、オーナーの宮地のように、もっと多くの人に自分の名前を知ってほしいし、ゆくゆくは美容に詳しくない人にも、知ってもらえるような美容師になりたいです。だから、「自分は本当にまだまだだな」って思っています。
今、僕は店長をしているのですが、自分だけ売れればいいとはまったく考えていません。下の子たちが働きやすい環境を整えて、一緒に成長していきたい。つい昨日も、伸び悩んでいる後輩のために、仕事の取り組み方や、その子が成長するためのサロンの体制づくりについて、じっくり話し合ったところ。下の子を放っておけないところは店長に向いてるのかなと思います。オーナーが向いている方向に、みんなを向けるのが自分の仕事かな、と思っています。
僕は有名になりたいと思って美容師になり、上京して今、SHACHUで働いています。気持ちがブレなかったから、今がある。これは僕だけじゃなく、誰にでも当てはまることなんじゃないかと思っています。
ブレない人はサロンや周りの人が応援しやすいけれど、ブレブレだったら助けたくても助けられないじゃないですか。やっぱり、「こうなりたい!」と考えて、そこに向かっている人にチャンスが巡ってくるし、考えていたことが現実になるのだと思います。だから、これから美容師として成長していきたい人には「ブレるなよ」って伝えたいですね。
- プロフィール
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渋谷本店 店長/KOUSEI(こうせい)
1991年生まれ。香川県出身。関西美容専門学校卒業後、大阪府内のヘアカラーに特化したサロンに4年間勤務。2015年、東京・渋谷「SHACHU」に入社。現在、渋谷本店の店長を務める。ハイトーンカラーやハイライトを用いたヘアカラーデザインなど、外国人のような透明感と立体感のあるヘアカラーデザインを得意とする。
SHACHU http://www.shachu-hair.com
(取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
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