世界を視野に『THE SLICK』オープンから1年! 豊田章一郎の教育マインドはさらに加速中!? 時代を体現するサロンコンセプトにも注目
売れっ子になるかならないかは教育者次第
——上京して5年になる豊田さんですが、プレイヤーとして東京ならではの楽しさは感じられていますか?
東京は地方と違って、新規がかなり多いじゃないですか。地方は顧客で3ヵ月埋まると思いますけど、東京だとありえないですよね。でも、僕はそれが東京の魅力だと思っていて。新規のお客さまを接客するとフレッシュな気持ちになれますし、それだけスタイルチェンジもできるので、そこが楽しいなと感じています。
——新規のお客さまも受け付けているんですね。
インスタで受けつけていますよ。うちは集客サイトを使っていなくて、全員がSNSによる自己集客なんです。今はそれが成り立っていますけど、今後はジュニアのスタッフが増えてくるので、十分に自己集客できないスタッフがどうアプローチしていくかはこれから課題になってくるかなと思っていて。戦略を考えているところです。
——売れっ子になる条件は、何だと思いますか?
自己管理能力が高いことだと思います。自分をしっかり管理できると、決めたこともやり続けられるんですね。続ける力さえあれば、僕は全員を売れる美容師にできると思っていますし、何なら自力でも売れっ子になれると思います。それくらい続ける力は大事です。大半があきらめてしまうので、それができる人って少ないんですよね。
続けられるようにするには、教育者が要だと思っていて。嫌な顔をひとつせず、朝も夜も練習を見てあげるなど寄り添っていくことが大事ですし、学ぶ側も強い意思で練習を継続していく必要があります。そうすれば化けますよ。過去にそういうスタッフは何人もいました。
——教育は大変というイメージが付きまといますが、豊田さんは教育が本当にお好きなんだなと伝わってきました。今後の活動プランはありますか?
日本ではまだ個人的にエデュケーター(教育者)としてのポジションを確立させている方が少ないですが、僕はそこを目指したいと思っていて、ここ1年はそれに向けて外部のセミナー活動にも力を入れていく予定です。直近では、8月に大阪のメーカーさん主催で100名規模のカットセミナーをします。こういった大規模なセミナーに挑戦していきながら、教育の技術をもっともっと向上させていきます!
- プロフィール
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豊田章一郎(とよたしょういちろう)/『THE SLICK』COO
徳島県出身。グラムール美容専門学校を卒業後、関西のサロンで9年間勤務して上京。都内有名店で顧客ゼロからスタートし、SNSを駆使したブランディングが功を奏して2カ月後にトップスタイリスト昇格。2023年5月、樗木佑太氏がCEOを務める代官山『THE SLICK』にCOOとしてオープニングから参加。社内教育を担当しながら、カットセミナー講師として「MODERN CUT ACADEMY」を主宰。エデュケーター(教育者)活動に注力している。
Instagram:@toyopett
(文/織田みゆき 撮影/松林真幸)