【天才美容師カニ】本気なのか?冗談なのか?普通の技術を極めた男が放つ、99.9%の美容師に伝えたい教育とは?
地域密着サロンに10年在籍。普通の技術を極める
僕の母が美容師で、実家や親戚含めて美容師が9人。そういう家庭環境で育ったこともあり、子供の頃からごく自然に美容師の道を目指していました。高校在学中に通信制の美容学校で学んで、美容師免許を取得。そしていざサロンへ就職となった時、なかなか面接までこぎつくことができなくて。その当時、リクエストQJの雑誌を開いて、求人広告が出ているサロンに手当たり次第電話で問い合わせたんですけど、まだ高校生だと告げるとあっさり断られて撃沈。唯一、僕を採用してくれたのが、池袋の中心から少し外れたところにある、地域密着の個人店だったんです。
そのサロンは、おじいちゃん、おばあちゃんまで来るような下町風のお店。トレンドヘアを提案するようなオシャレサロンではないですけど、基本のシャンプーから始まって、カットやブロー、カラー、パーマ、セットなど、オールマイティな技術を一通り習得しました。ご年配のお客さまが中心のサロンで鍛えられたことは、今にも役立っています。YouTube上では便宜上、天才美容師と名乗っていますけど、実際の僕は普通を極めた男だと自負しています。いわゆる有名店で働いた経験はないです。でも美容業界の99.9%は普通のサロンじゃないですか。その99.9%の、普通の技術を伝えることが僕のYouTubeチャンネルの売りになっているんですよね。
スタイリストデビューは20歳でした。新規客がたくさん来るようなサロンではなくて、せいぜい月30人ほど。アシスタントもつかない。そんな環境でひたすら次回予約へと繋げて、26歳で月間指名売り上げ400万円に。美容室って、本来はストック型ビジネスだと思うんです。今の美容業界で、集客を目的にSNSをやってみたものの、上手くいかないという人がほとんどだと思います。SNSに夢を見出している美容師さんたちの幻想を、一回壊すのが僕の仕事だと思っていて。僕が運営するオンラインサロンでも、次回予約を徹底することの大切さを何度も伝えています。
キャラが強かったせいもあって、僕を好いてくれるお客さまも、ちょっと個性的な人が多かったと思います。表参道のようなオシャレなエリアだったら、僕みたいな自己主張強めなキャラの美容師は、絶対にウケないです(笑)。そういう意味では、池袋という立地は、自分に合っていたのかもしれないですね。
その一方で、勤務先の先輩からは煙たがれるような存在だったと思います。人一倍向上心も強くて、休日は毎週のようにセミナーに通っていろんな技術を学んでいました。学ぶことが好きだったので、有名美容師さんの講習にも積極的に参加しました。そして勝手に社内に教育部門を作って、自分がセミナーで学んだ技術を教えたりしていたんです。古いマニュアルに沿った教育よりも、今、現場で本当に求められている技術をスタッフに教えるべきだという自分なりの信念があって。同僚としては、僕のような存在は目障りですよね。先輩から嫌われる一因だったはずです(苦笑)