史上初の兄弟対談! 受験不合格、就活失敗…いくつもの挫折と覚悟が、二人を強くした! -OCEAN TOKYO 高木琢也・陽介 兄弟ヒストリー-【前編】
「やりたいことをやりたいようにやれ」。兄弟で起こした就活逆転劇
−美容の道へ進まれてからの兄弟での思い出ってありますか?
琢也:僕のデビュー試験のモデルは陽介なんですよ。2週間前に来店してカット練習に付き合ってもらうなど、テストに向けて協力してもらった。
ばっちり準備したはずだったのに、いざ本番が始まったらめちゃ慌てちゃって。僕は勝負どきに決められるタイプじゃなかったので、すごい緊張していて、汗だくで切ってたんです。ふと見たら、ただ座っているだけの陽介の方が汗だくだったの(笑)。
−爆笑
陽介:シーンとした会場に有名スタイリストの試験官が10人くらいいて、ものすごい圧迫感だったんですよ。モデルの僕でさえピリッとした空気感に怯えちゃって…緊張しすぎて寝ちゃったんです。
−えー! そのシチュエーションで眠れるのがすごいです。
陽介:「ここは寝ちゃいけない!」っていうシチュエーションで、なぜか眠たくなっちゃうんですよね。アシスタントのときも、年に2回社長が参加するミーティングがあったんですが、2回とも寝るっていう…。
−試験官にバレなかったんですか?
陽介:「きみ、寝てたよね?」と聞かれたので「寝ていません!」と突き通しました。僕が寝て試験に落ちたら、兄にキレ…迷惑かけちゃいますから。
−結果はどうだったんですか?
琢也:受かりました! けど、デビューした次の日、僕が寝坊しちゃって…。
-兄弟で睡眠トラブル(笑)。
陽介:実は、兄がデビューしたメンズサロンは、僕の第一志望だったんです。けど、兄からは反対されました。「一緒のサロンで同じ技術学んでも意味ないでしょ」って。
琢也: 兄弟でお店を出すことがあるかもしれない。だとしたら、僕にないものを陽介に身につけてほしかったから。で、レディースに強くてクリエイティブな有名店を提案して、面接受けたんだよな。なんでも一発合格してきた陽介だから大丈夫だと思ってたら、結果はまさかの不合格…。
陽介:就活で人生初の挫折を味わいました。不合格を報告したときの母の言葉が今も忘れられなくて…。
「就職しづらい時代に産んじゃって、ごめんね」と…。母は何も悪くないのに謝らせてしまって、やるせない気持ちになりました。
そのとき、兄に連絡したんです。「落ちたけど、明日サロンに行って、どうしても働きたいって伝えようと思うんだけど、どうかな?」って。
−どんなアドバイスをしたんですか?
琢也:「行ってもいいですか」だと、「ダメです」って言われるから、「行きます」と言い切れって伝えました。
陽介:おかげで直接お話することができました。結果は変わらなかったんですけどね。それで別の会社を受けて、内定をもらった矢先、二次募集しているのを知ったんです。
内定先に就職しなくちゃと思う反面、第一志望のサロンのことが気になっていて。すると兄から「自分がやりたいと思う道を選べよ。そんなことで人生、棒に振るの?」と喝を入れられまして…。
琢也:真面目だし優しいから、自分の気持ち押し殺している感じがあって。「しっかりと筋を通して、気持ちを伝えてこい」って伝えました。
陽介:卒業間近だったし “一次で落ちた方はご遠慮ください”って募集欄に書いてあったし、本当に悩みました。けど、一度きりの人生、もう一度挑戦しようと腹をくくりました。内定の連絡をもらったときは心から嬉しかったな。
プロフィール
OCEAN TOKYO
代表/高木 琢也 (たかぎ たくや)
千葉県出身。早稲田美容専門学校卒業。都内1店舗を経て2013年9月にOCEAN TOKYOを立ち上げ、現在は原宿、渋谷、大阪など8店舗を展開。月間技術売上1200万円を達成、ホットペッパービューティーアワードベストスタイルメンズ部門三連覇をするなど業界でも注目を浴びる。2018年10月にNHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」に出演後、本田圭佑に次ぐ二人目の二度目の出演者として2019年5月に再登場。2019年5月22日にはじめての著書「這いつくばった奴が生き残る時代道あけてもらっていーすか?」(宝島社刊)を上梓。カミカリスマ東京2020(主婦の友社)では、メンズカット部門で唯一の三つ星を獲得した、業界の圧倒的カリスマ美容師。
プロフィール
OCEAN TOKYO Sunny
代表/陽介 (ようすけ)
千葉県出身。日本美容専門学校卒業。都内の有名クリエイティブサロンを1店舗経験後、OCEAN TOKYOオープニングスタッフとして参画。メンズ・レディースどちらも高度な技術をもつOCEAN TOKYOの二刀流スペシャリスト。原宿店で店長を経験後、2017年9月、5店舗目となるOCEAN TOKYO Sunny 代表に就任。2019年にはホットペッパービューティーアワードのレディース部門で7位受賞。今年はレディース部門で1位を狙う。
(取材・文/QJナビDAILY編集部 撮影/TAIKI FURUKAWA)