あの名店のスタイリストデビューの基準を探れ! Vol.9  「売れたければ必要とされる美容師になれ!」OCEAN TOKYO中村トメ吉さんインタビュー

一番の基準は「想い」や「魂」を持っているかどうか

 

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-先ほどカリキュラムはないとおっしゃっていましたが、本当にないのですか?

 

全くない、というわけではありません。技術(=「テクニカルスキル」)に関しては、全スタッフの技術を統括するテクニカル部という部署を設けています。こちらの部署内に、カットのリーダー、カラーのリーダー、パーマのリーダーなど技術ごとの責任者が所属しています。その責任者が現状を把握した上での練習会や講習会を定期的に開催し、さらには各店舗のアシスタントの技術チェックを店長と共に行なっているんです。なおカットに関しては共同代表の高木琢也、Harajuku店の代表・三科光平、僕が最終チェックをします。

 

ただ系統を定めた指導はしません。つまり、メンズの王道系カットといったヘアスタイルを学べといった強要はしないんです。なぜなら作るヘアスタイル(商品)は各スタイリストの自己表現であり、うちはそれを大切にしているからです。

 

-「ヒューマンスキル」をつけるための指導はされていますか?

 

「ヒューマンスキル」についても、最低限のルールはあるものの基本的には自身で身につけてもらいます。僕らは「商品」が売れる時代はとっくに終わったと思っていて、じゃあ何が人の心を満たせるのかといったら、今は「情報」。そして次にくるのが「人の心や魂」。美容師の仕事に対して、お客さまに対して、どれだけ「想い」や「魂」を持っているか、うちの一番の基準はこれです。これを身につけるためには、固定概念に捉われず広い視野を持ち、いろんな経験や恋愛をし、多くの人と出会い、自分を知ってもらいたいと思っています。

 

-つまり「ヒューマンスキル」磨きは各スタッフに完全に任せているのですか?

 

例えば、挨拶とか礼儀、時間・お金・人の使い方の教育はしていますが、できるだけ自由にさせています。とはいえ僕自身の熱い想いをアシスタントたちに伝えたり、プライベートを共にしたり、外部から講師を呼んで講演をしてもらったり、広い視点が持てるような指導は取り入れています。

 

そして「コンセプチャルスキル」は僕と三科でSNSスキルを中心に指導しています。アシスタント全員のSNSを管理する部署もあり、投稿の内容から文章の書き方だけでなく、時代を捉えた自己ブランディングや自己戦略のやり方も教えているんです。

 

>売れるスタイリストがデビュー前にしていること

 

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