あの名店のスタイリストデビューの基準を探れ! MINX歳嶋建国さんが明かす“1人前の美容師の条件”
デビューまでは大変。だけどデビュー後は売り上げ100万までを用意
-デビューまでの道のりは長いですね。
「確かに、ほかのサロンに比べるとかなり長い道のりかも知れません。でも、いざお客さまを前にカットしたとき、誰も助けてくれませんよね。デビューしたあとに困らないようにトレーニングする、外に行ってもしっかりと教えられる美容師にする、というのがMINXの考え方なんです。“分かるようになるまで”じゃなくて、“できるようになるまで”するというのが大切で、しっかりと体で覚えてからデビューした方が、喜びも感じやすいと思うんですよね。
デビューする前なら、いくらでも困ってもいいんです。もちろんデビューしたあとでも、フォローやアドバイスをすることはできますが、それでも一人前の美容師としてやっていかなきゃいけない。デビューしてから困らないように指導するのが、この教育プログラムの目的なんです。カットモデル200人というのも途方もない数字に見えますが、どれだけ積極性があるかということも分かりますし、接客の練習にもなりますしね」
-デビューの評価基準を教えてください。
「まずはお客さまの要望をしっかりと理解できるかですよね。『コレがカッコいいからコレにしよう!』ではダメなんですよ。お客さまが何に悩んでいて、どうしたいと考えていて、というのを理解して、お客さまへのベストを提案できる美容師にならないと。そのためにも、『デザイン力・技術・提案力・接客力・商品知識』の5つは欠かせない基準になっています」
-歳嶋さんは、スタイリストデビューが早かったようですが、美容師になったばかりのときに苦手だなと思ったことはありますか?
「僕は、接客が苦手だったんですよね。お客さま任せの接客というか。でもあるとき、先輩に『お客さまにちゃんと興味を持っているか?』と言われて、ハッとしたんです。きちんとお客さまに興味を持って向き合っていたら、髪に悩みを持っている人が本当にたくさんいるんだなということに気づいて、そこからケミカルの勉強をし始めたんです。お客さまにはヘアケアなどのアドバイスを伝えるとすごく喜んでくれました。そこから、苦手な接客が克服できた気がしますね」
-ところで、アシスタント時代とデビューしてからの待遇面では、どのような変化がありましたか?
「まずは給料面でいうと、アシスタントは『基本給+アシスタント手当』でしたが、『基本給+歩合制(指名料)』に変わります。自分の頑張り次第にはなりますが、ここは全然、違うと思います。MINXは、デビューまでの道のりは厳しいですが、その分、デビューしたあとにある程度まで売り上げが伸ばせるようにしっかりとフォローアップしていくようなシステムになっているんです」
-どんなフォローアップシステムなのでしょうか?
「簡単にいうと、デビュー後1年間で、売り上げ100万円までのステージを用意しますというものなんですけれど、デビューしてすぐに、『どういう方向性でやっていこうか』など、プレスや店長と面談して、意志の疎通をはかり、その方向性でしっかりとバックアップしていくんです。店長はもちろんなのですが、プレスは客観的に物事を見てくれるので、どういうスタイルを売りにしていったらいいかなど、方向性を定める上ではとても心強い存在ですね」