あの名店のスタイリストデビューの基準を探れ! Vol.5 少数精鋭で成果を上げる♦at’LAV♦by Belleの教育とは?
みんなで新卒採用をすることでみんなが責任を持って育てようとする
-先ほど“やりたいこと”があるかどうかが大切とおっしゃっていましたが、学生を面接する時は“やりたいこと”があるかどうかを注意して見ていますか?
もちろん。何をしたいのかを必ず聞きます。それがある子は辞めないんですよね。うちは休みが少ないですし、デビューまでが大変。でも目標があると辞めない。
うちは最終面接として1日サロンワークに参加してもらうんです。サロンワークに参加してもらうことで、1年目から幹部まで全員で入社希望の人と接し、みんなで入社する子を決めるんです。みんなで決めることで、みんなで責任を持って、育てようとするんです。そういう採用方法は大型店と違いますし、有名店の強みですね。
-少数精鋭で運営する♦at’LAV♦by Belleならではの教育のメリットとデメリットは?
メリットは“やりたいこと”が明確なら1年目でも任せてもらえることですね。デメリットは、人数が少ない分、勉強会の中身や時間が変動しやすいことです。たとえば1人の先輩が諸事情により勉強会に出席しないと、どうしても勉強会の内容が手薄になる。逆にアシスタントが先輩の手伝いに外へ出るとなると、勉強会に参加できなくなる。
-デビューすることでスタッフの働き方はどう変化しますか?
アシスタントとスタイリストって、学生と社会人くらい違うんです。やっぱりアシスタントは守られている。失敗したら怒られるけど、最終的な責任は先輩スタイリストが持ってくれる。デビューしたらまず怒られないんですよ。全てが自己責任。デビューしたら歩合制なので、自分がちゃんと実績を残していかないと、給料も安定しない。やりがいも給料も自分次第でどんどん変わる。逆に言えば、自由なので“やりたいこと”を見つけていれば楽しい。
アシスタント時代は教育カリキュラムという歩く道があるのですが、デビューしたら歩く道を自分で作らないといけない。僕は人と違う道を歩きたがるんですが、もし失敗したらズドーン。落ちてしまいます。しかも落ちても誰も引き上げてくれないという恐怖もあるんです。それでも違う道を歩かないと、ここでは生き残れない。
-では最後に、専門学生やデビューを目指すアシスタントの方にアドバイスをお願いします。
まずはデビューする前に自分の強みを見つけてください。デビューはスタートラインに立っただけ。デビューを目標に頑張ると、デビューした時に失速してしまう。だから強みはなんでもいい。カメラでも、メイクでも、教えるのが得意とか何でもいい。それこそ友達が多いという強みでもいいんです。
- プロフィール
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♦at’LAV♦by Belle
デザイナー/新井 直樹(あらい なおき)
朗らかな人柄から多くのモデルに愛されているスタイリスト。ハイセンスな技術を誇る♦at’LAV♦by Belle の中で、カラー技術は群を抜いていると評判。
(取材・文/QJナビ編集部 撮影/当山 礼子)