あの名店のスタイリストデビューの基準を探れ! Vol.5 少数精鋭で成果を上げる♦at’LAV♦by Belleの教育とは?
大型店と違ってうちは人数が少ないので、平均点を取る子はダメ
-デビューの早いアシスタント、遅いアシスタントがいると思いますが、その差は何だと思いますか?
自分の“やりたいこと”を持っているかどうか、ですね。デビューした後に“やりたいこと”があるアシスタントは、早くデビューしたがる。だから練習も熱心。しかもアシスタント時代から、“やりたいこと”の技術を伸ばそうと、積極的に動く。撮影をやりたいと思っているなら、デビュー前からメイクの勉強をし、先輩の撮影に付いていく。撮影に参加するせいで練習時間が減って、デビューが遅くなるかもしれませんが、それは自分がやりたいことが撮影なら僕は正解だと思います。向かっているものが見えているアシスタントの成長スピードは早いです。
-“やりたいこと”のために練習時間が減って、デビューが遅くなるのはお店にとってはマイナスではないですか?
そうですね。でも僕個人はいいと思っています。大型店と違ってうちは人数が少ないので、みんながみんな平均点というのはダメ。どこかしら飛び抜けているものを持っていないと評価されません。
-つまり個性を教育していこうと思っているんですね。その個性を伸ばすために具体的にどんな教育をしているのですか?
何が好きなの? とよく聞いています。“やりたいこと”が分かったら、早い段階で任せます。たとえば撮影をやりたいと分かったら、何度か撮影に同行させ、できるなら1年目でも衣装やメイクを任せる。デビューまでにお店で各アシスタントの専門を見極めるんです。ですからデビューするまでに、みんな何かしらの専門分野を持っていますよ。
-「この子の専門分野はコレ!」とどの段階で分かるんですか?
1、2年目の段階で既に光っている子もいるんですが、デビュー前にやっと光る子もいる。逆にデビュー前に光る何かが見出せないのなら上が与えようとするんです。これちょっとやってみて、って。
-なるほど。♦at’LAV♦by Belleさんには具体的にどんな専門性を持った先輩方が働いているんですか?
セミナーを得意としているスタイリスト、メイクを得意としているスタイリスト、カットを得意としているスタイリストにカラーを得意としているスタイリスト。そのほかに後輩に教えるのが上手い人などさまざまなタイプが在籍しています。
-新井さん自身は?
カラーとカメラ、そして人脈です。アシスタント時代から、カラーリストに食らいついてカラーの勉強をしていました。なぜカラーに特化しようとしていたかというと、カットではオーナーの冨山に勝てないから(笑)。カメラもアシスタント時代から勉強していました。カメラが得意だから撮影に呼ばれるんですよ。するとモデルさんと仲良くなれる。するとデビュー時にモデルさんがお客さまとして来店してくれる。そしてSNSで「新井さんに切ってもらった」と宣伝してもらえる。宣伝してもらおうとモデルさんと仲良くなるなんて、ちょっと腹黒いですけどね(笑)。