コロナの不安をどう乗り越える? 今年デビューで快進撃中の注目のルーキー美容師3名に聞いた!

<2020年3月デビュー THEATER畔蒜大樹さん>

 

不器用というハンデを克服するために、努力を続けた美容学校・アシスタント時代

 

 

美容専門学校時代に、特待生の枠に入るために、入学前からワインディングの練習をしたり、オープンキャンパスのリーダーを勤めたりとできる限りの努力を積んできて「トレンドサロンに入社したい」という思いのもと、無事有名サロンに内定をもらいアシスタントとして働きはじめました。

 

そのサロンはデビューまでに4年かかるということで、当然わかっていて入社したんです。ただ、僕は、スタイリストになったあとはセミナーや美容学校の講師もやってみたいと思っていたので、そのビジョンから逆算すると、やはり早くデビューしたという気持ちが強まり9月で退社しました。

 

THEATERに転職を決めたのは、代表の三浦の著書を読んで共感したからなんです。すぐに履歴書を書いて応募しました。

 

三浦丈英さんの著書『ヘアサロン経営プロジェクト』(合同フォレスト)

 

THEATERのカリキュラムはまずアカデミーで技術を勉強するところから始まります。通常は6か月のカリキュラムを終えてデビューとなるのですが、実力次第では早く終えることもできると聞いていたので「5か月で終えます」と宣言して練習をしていました。僕は不器用で、何をやるにも一度ですんなりとはできないタイプ。自分でもそれがわかっていたので、カリキュラムの動画を見ながら練習して、ひたすらチェックしてもらうというのを繰り返していました。

 

とくに、モデルカットは力を入れていて、休みの日は街でずっとモデハンをしていましたね。今は、Instagramでモデルを見つける人が多いかと思うのですが、僕は昔ながらのアナログ形式でやっていました。僕はsnidelやLily Brownなどの服を着ているかわいらしくてフェミニンな女性のヘアスタイルで打ち出すことを決めていたので、実際に街でファッションや年齢を見て声をかける方がわかりやすかったんですよ。「もっと似合う髪型にできますよ」とか「髪の毛、色落ちが気になりませんか?」とかその場でカウンセリングできますしね。

 

声をかけるときは「とにかく立ち止まって話を聞いてもらう」ことを目標にしていました。最初は「こんにちは。表参道で美容師をしているんですが……」と声をかけるのですが、立ち止まってくれないこともある。すると、ちょっと変わったことを言ってみるんです。「こんにちは。あまりにかわいいのでついてきちゃいました!」とか(笑)。ナンパに間違えられないようにしないといけませんが、「えぇ!?」と思って立ち止まってもらえるので、すかさず自分が美容師でモデルさんを探していることを説明します。

 

調子のいいときだと、1日で10人来店の約束をもらえることもありました。

 

 

師匠である店長に導かれて「他人に興味のない人間」だった自分が変わった

 

 

技術はアカデミーでしっかりと身につける一方で、人間的な学びは、店長の甲地(りょうすけ)が僕の師匠。スタッフへの優しさや人格形成などマインド的なことはほとんど甲地から教わりました。

実は、僕はもともとあんまり他人に興味が持てないタイプの人間だったんですよ。対して、甲地はスタッフに対するケアが細やかで、小さな変化にもすぐ気がつく人なんです。アシスタントの僕にも「自分が店長のつもりで働いてほしい」と言っていました。どういう店にしたいのか? スタッフの体調は問題ないか? を常に考えている店長のもとでは、スタッフはみんな前向きで優しくなるんです。そのことを身を以て感じたので、僕も他者への共感力や人の喜びを自分のことのように感じる愛情が大事なんだと考えるようになり、人間的にも成長することができました。

 

 

自分で宣言したとおり、5か月でアカデミーを出てモデルカットに進み、2020年の3月にデビューが決まりました。代表からは「アシスタントのときの気持ちをいつまでも忘れちゃだめだよ。今は先輩に幸せを与えられる側だけど、スタイリストになったらその幸せを後輩に順送りにしていってほしい」と言われたのを覚えています。

 

 

デビュー直後は100%自己集客で140万を達成! 

 

 

デビュー初月の売上は140万。目標は150万だったのですが少し届かず、正直、「コロナがなかったらもっといけたかも」と思うこともあります。

ただ、クーポンサイトでの予約はまだ解放しておらず100%自己集客。とくに、かつてモデルをお願いしていた方や、その友人のかたなど口コミでたくさん来店してくださいました。デビュー初月で、これだけのお客さまに来ていただいたのは、アシスタント時代にエンゲージメントを高めていたからこそなのかな、と考えています。とくに、街で声をかけてモデルをお願いした人にはお客さまとしても来店してくれている人が多いので、集客という意味でもモデハンは意味があったと思います。

 

次の目標は200万。将来は自社のアカデミーの講師もやってみたい。ブランディングチームに入るという夢もあるので、自分の打ち出したスタイルを着実にヒットさせていきたいです。

 

<プロフィール>

THEATER表参道/スタイリスト

畔蒜大樹(あびる ひろき)

神奈川県出身。ベルエポック美容専門学校卒業。都内一店舗を経てTHEATREに入社。半年間のアシスタント期間を経て’20年3月にデビュー。暗くても透ける、髪が柔らかく見えるハイ透明感カラーを得意とし、インフルエンサー、ミスコン、読者モデルからも信頼を集めている。

 

>次はAFLOATナイリーさんが登場!

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